2018年9月23日(日)

わがまちの災害リスク知ろう

社説
2018/9/1付
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 この夏は大阪北部地震や西日本豪雨など災害が相次いだ。政府や研究機関は地震や水害、土砂災害といった様々な災害の危険度を知らせる情報発信を強めている。きょうは防災の日。自分が住む地域の災害リスクを学び、事前の備えや迅速な避難に役立てたい。

 6月の大阪北部地震では住宅の被害が一部破損を含め4万棟を超え、ブロック塀も倒れた。この地域は「有馬―高槻断層帯」や「上町断層帯」などの活断層が集まっている。研究者は地震の危険性を警告していたが、自治体や住民の備えの意識は高くなかった。

 7月の西日本豪雨でも、もともと洪水や土砂災害の危険性が高いとされていた場所で被害が集中した。行政が避難の勧告や指示を出したのに、住民の対応が遅れたことは重い教訓だ。

 被害を減らすには、まず住民が日ごろから地域の災害リスクをよく知っておくことが欠かせない。

 国立研究開発法人・防災科学技術研究所は、インターネット上の「地域防災Web」で市区町村ごとの地震、津波、洪水などの危険度を5段階で示している。他の地域とも比較でき、どんな災害に備えるべきかが一目で分かる。

 国土交通省も土砂災害や洪水、津波などの被害予測図をネットで提供している。「重ねるハザードマップ」と題し、複数の災害リスクを同時に示す機能もある。

 ハザードマップなどの予測は外れることもあるが、市町村史に残る災害記録と並び、地域のリスクを知る重要な情報だ。自主防災組織や町内会などで学びの場を設け、避難訓練でも活用したい。

 自治体の情報発信にはもっと工夫が要る。東京都が3年前に「東京防災」と名付けた冊子を配布し、類似の冊子を作る自治体が増えている。だが、ものまねではなく、地域ごとに違う災害特性を踏まえた内容にする必要がある。

 外国人向けの情報提供も今後の課題だ。災害情報の翻訳や通訳ボランティアの育成を官民がもっと連携して進めるべきだ。

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