2018年9月20日(木)

北の非核化へ交渉停滞避けよ

社説
2018/8/31付
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 米中貿易戦争が北朝鮮問題にも影を落としている。トランプ米大統領は北朝鮮の非核化交渉を妨げているとして中国を非難する声明を発表した。米中間の確執が深まれば、北朝鮮が約束した「完全な非核化」は遠のくばかりだ。

 トランプ氏は、北朝鮮の非核化が進展しないのは中国が米国との貿易摩擦を理由に、北朝鮮に多様な援助を通じて圧力をかけているのが原因だと不満を示した。米中は北朝鮮の非核化を望む立場では一致しており、通商問題とは切り離さなければならない。

 警戒すべきは、6月12日の米朝首脳会談後も北朝鮮が非核化の具体的な行動をとらず、潜在的な脅威はむしろ強まっている現実だ。国際原子力機関(IAEA)は最近作成した報告書で「核開発は継続し、さらに進展している」と分析した。国際的な北朝鮮包囲網も徐々に綻びがみえている。

 今年に入って北朝鮮が対話に転じたのは、米国の軍事、経済両面の強い圧力に中国が同調したためだ。トランプ氏の非核化への意気込みは評価できるが、成果を出すには北朝鮮に影響力を持つ中国を取り込む努力が欠かせない。

 9月に訪朝を予定する韓国の文在寅大統領の役割も重要だ。米政権内では韓国が非核化交渉の進展とは別に、南北関係の改善を進めるのではないかとの懸念があるという。金正恩委員長との会談では、何よりも非核化の道を着実に歩むよう促してもらいたい。

 北朝鮮産の石炭の密輸にかかわった疑いのある貨物船が日本に頻繁に寄港していたことも明らかになった。国内法や取り締まり体制の不備を露呈した。北朝鮮を非核化に向かわせるために、国際社会は制裁のタガを締め直すときだ。

 トランプ氏は声明で、米朝首脳会談を受けて中止している米韓合同軍事演習を再開する場合は「かつてなく大規模」になるとも述べ、北朝鮮をけん制した。北朝鮮との対話と圧力を両立させる難しい局面だからこそ、日米韓の結束を再確認すべきである。

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