2018年9月24日(月)

春秋

春秋
2018/8/26付
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 「夏のある国に生まれて、私は幸せだと思う」。テレビドラマ「ビーチボーイズ」で、広末涼子さん演じる民宿の娘がそう語る。「だって、夏には夏だけの時間の進み方があるような気がするから」。太陽のもと、少し日常を離れた自由な時。誰もが記憶にあるだろう。

▼時計の針を1時間進めるサマータイムは、夏だけの特別な時を人の手で作り出す試みともいえる。ある欧州駐在経験者は「夕刻以降も明るいこの季節が大好きだった」とブログに記す。ただし「もともと日が長く湿気が少なく、夏休みも長い欧州だからこそ1時間の変更が効果的だったのでは」と分析。日本は別だとみる。

▼五輪の暑さ対策にサマータイム導入案が浮上している。「朝の通勤電車がすく」「仕事帰りにナイターを見られる」といった街の期待を聞くと、まだ一般の理解が追いついていないと感じる。全員が一斉に時計の針を進めるから電車の混み具合は変わらず、早退しない限り回答者がナイターに間に合わないのは今と同じだ。

▼自分で出退勤時刻を決めるフレックスタイムなら早出も早退も自由だ。電車もレジャー施設もすいている。導入済み企業は日本の4%に対し、英国やスウェーデンは5割。デンマークは9割を超え、一斉型サマータイム廃止を求める声を後押ししたとも。夏だけの時を決めるのは国か個人か。そんな視点も議論に入れたい。

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