2018年11月16日(金)

予報改善へ多様な情報活用を

2018/8/24 23:06
保存
共有
印刷
その他

豪雨や猛暑など異常気象が増えるなか、国土交通省の専門家会議が気象業務の改善目標などをまとめた。集中豪雨の予測精度向上などを掲げており、気象庁は達成に全力をあげてほしい。実現には民間の力も積極活用すべきだ。

国交省交通政策審議会の気象分科会が、2030年に向け気象庁が取り組むべき重点課題などを提言としてまとめた。観測・予測技術の向上や情報提供の態勢整備のロードマップといえる。

同分科会の前身である気象審議会は00年に10年ごろにかけての目標を示していた。今回はそれ以来の提言。今年1月からの審議の途中では西日本豪雨で多くの犠牲者が出た。技術進歩や時代の要請を考えると後手に回った感もある。

提言は、豪雨、雷、竜巻などの激しい現象について1時間先までの正確な予測情報「シビアストームアラート」を新設するとした。線状降水帯による豪雨の可能性も一目でわかるようにする。

いずれも避難の判断などに生かせるが、情報の意味が正しく理解できないと混乱を招く。特別警報や警報、土砂災害警戒情報など、すでに多種類の情報があり、伝え方をしっかり整理してほしい。

予測の精度を上げるには、もとになる観測データが不可欠だ。国交省と気象庁だけでなく、電力、通信事業者や自治体、研究機関からも広く収集し、活用をめざすとした点は評価できる。ただ、利用する情報の範囲をさらに広げる余地はあるのではないか。

気象会社のウェザーニューズは、約500万人の登録者から寄せられる大雨や洪水の報告や画像を予測に生かしている。ビッグデータの処理技術を駆使して正確な情報を取り出すノウハウも蓄積しており、学ぶべき点は多い。

こうした情報の提供にあたり、提言はデータの質の「見える化」が必要だとした。目的と照らし合わせ、使ってよいか判断するための基準を作る。信頼性の確保は大切だが、多様な情報を有効活用する妨げになってはいけない。

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報