2018年9月22日(土)

貿易摩擦緩和へ米中対話の窓口閉ざすな

社説
2018/8/25付
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 米国が中国の知的財産権侵害を理由に第2弾の制裁措置に踏み切り、中国も報復措置を発動した。ともに160億ドル相当の輸入品に25%の追加関税を課した。

 二大経済大国の貿易戦争がこれ以上激化するのは避けなければならない。22~23日に開いた両国の事務レベル協議は成果をあげられなかったが、今後も対話を継続して摩擦を緩和すべきだ。

 両国は7月に、いずれも340億ドル相当の輸入品に25%の追加関税をかけており、対象規模は500億ドルに膨らんだ。米国はさらに2000億ドル相当の制裁措置を検討中で、中国との貿易戦争は泥沼の様相を呈している。

 米国はここにきて、中国が人民元を安値に誘導していると批判しており、両国の貿易戦争が通貨戦争に飛び火する恐れもある。経済・軍事両面の覇権争いが絡むだけに、双方とも安易に妥協できず、制裁と報復の連鎖を断ち切る方法が見当たらない状況だ。

 中国では貿易戦争の影響もあって、景気の減速感が強まっている。米国ではビジネスの環境が悪化し、海外からの直接投資が細っているとの声も出ている。

 米国の金利上昇や新興国の資金流出などが響き、世界経済の先行きにも不透明感が漂う。米中が貿易戦争を続けるリスクは大きいと言わざるを得ない。

 マルパス米財務次官と中国の王受文商務次官がワシントンで会談し、貿易協議を再開したのは好ましい動きだ。両国は対話の窓口を閉ざさず、建設的な貿易不均衡の是正策を探ってほしい。

 米国は国際ルールに反する一方的な制裁を自制しなければならない。世界貿易機関(WTO)や日本、欧州などと連携し、中国に知財侵害の是正を促すべきだ。中国も報復一辺倒ではなく、知財の保護や輸入の促進で協力できる分野を探る必要がある。

 両国は2017年4月の首脳会談での合意を受けて、閣僚級の経済対話や外交・安全保障対話を立ち上げた。しかし思うような成果を得られず、頓挫した経緯がある。こうした枠組みを再構築してもいいのではないか。

 米国は国家安全保障を理由とした鉄鋼やアルミニウムの輸入制限を主要国に発動し、次は自動車に適用することを検討している。こちらも安易な制裁や報復を自制し、真摯な対話を通じて解決策を見いださねばならない。

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