2018年11月18日(日)

危機の再発防ぐユーロ改革を

2018/8/23 23:22
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欧州債務危機の震源地となったギリシャへの、ユーロ圏などによる8年間に及ぶ金融支援が20日で終了した。だが、単一通貨ユーロは依然として構造的な課題を抱え、改革は遅れている。

関係国は当面の危機が遠のいた平時のいまこそ、再発防止に向けた取り組みを進めるべきだ。

2010年にギリシャで深刻化した危機は一時、スペインやアイルランドなどにも飛び火し、1999年のユーロ導入以来、最大の問題に発展した。金融支援で沈静化させたが、ギリシャは経済体質の改善に手間取り支援体制が長く続いていた。

危機を受けてユーロ圏は、金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)の設立や、各国の金融機関の監督一元化など一定の改革を実施した。

しかし、ユーロ安定のための仕組みはまだ十分とはいえない。ESMを強化する案や、預金保険制度を一元化して「銀行同盟」を完成させる構想があるものの、実現に至っていない。

マクロン仏大統領はメルケル独首相に働きかけ、ユーロ圏の共通予算を創設する案をまとめた。成長力の弱い南欧への投資に使う狙いのようだが、6月のユーロ圏首脳会議で進展はみられなかった。

ギリシャをはじめ、経済の体質強化が課題の国はなお存在する。将来、新たに危機に陥る国が出る可能性は消えない。

だが、資金負担が必要な話になると、税金を他国のために使うことへの慎重論が台頭する。ユーロ圏共通予算の構想には北欧諸国やオランダなどが懸念を示したとされる。

通貨をひとつにしても、共通の予算がないなど財政がバラバラなままだと、ユーロ圏の不安定な構造は続く。一方、安易な財政の移転はモラルハザードにつながるという主張も根強く存在する。

こうした構造上の問題を踏まえつつ、どう危機の再発を防ぐ改革を進めるか。来年で誕生から20年となるユーロの重要な課題だ。

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