2018年11月15日(木)

自民総裁選で長期戦略への議論深めよ

2018/8/22 0:20
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自民党総裁選の投開票まで1カ月を切った。安倍晋三首相の総裁3選が有力だが、成長力の底上げや財政健全化など日本が直面する課題は多い。活発な政策論争を通じ、長期戦略への議論を深める有意義な選挙戦にしてほしい。

自民党は21日の総裁選挙管理委員会で、9月7日告示、20日投開票の日程を決定した。現職の安倍首相に石破茂元幹事長が挑む一騎打ちになりそうだ。

前回の2015年は首相が無投票で再選されたため、候補者による論戦は6年ぶりとなる。国会議員票(405票)と地方票(405票)の合計810票を争う。党員・党友の投票資格は、これまでの「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられた。

首相は出身派閥の細田派のほか、麻生、岸田、二階、石原各派などの支持を取りつけた。石破氏は石破派と竹下派の参院議員などの支持にとどまっており、態度未定の議員や党員・党友の票をどれだけ獲得できるかが首相との差を詰めるうえで重要になる。

首相の3選は揺るがないとみて、党内にはすでに総裁選後の内閣改造や党役員人事に関心を示す空気もある。しかし久しぶりの本格的な政策論争の機会を単なる消化試合にしてはならない。

5年半を経たアベノミクスは大胆な金融緩和と積極的な財政出動を通じて、確かに日本経済のムードを明るくした。株高や円安によって企業収益や雇用は改善したが、日本経済がデフレから完全に抜け出して持続的な成長軌道に乗ったとはとても言えない。

落ち込んでいた国の税収は回復したものの、消費増税の延期や国と地方の基礎的財政収支の黒字化目標の先送りで、財政健全化への取り組みはむしろ後退した。

少子高齢化時代がすでに到来している。医療や介護などの社会保障改革は不可欠だ。19年10月に消費税率を10%に引き上げた後、さらなる歳入改革に取り組む責任が政権与党にはある。

党内では憲法9条の改正問題も争点として浮上している。重要な課題には違いないが、経済財政運営や外交・通商戦略の議論を後回しにするようでは国民の関心と大きくずれることになる。

総裁選の期間中は、候補者による公開討論や街頭演説の機会を増やすべきだ。真摯で深みのある論争を通じて、日本が向かうべき針路を示してほしい。

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