2019年5月24日(金)

ソフマップが買い取りアプリ データ消去など専門性強み
戦略ネットBiz

コラム(ビジネス)
2018/8/22付
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NIKKEI MJ

家電量販大手のビックカメラ傘下のソフマップは、スマートフォン(スマホ)などから手軽に中古品買い取りの手続きができるアプリの配信を始めた。中古品の買い取りでは、フリーマーケット(フリマ)アプリのメルカリなど個人間売買との競争が激しくなっている。フリマアプリ同様の手軽さと、店舗での働きかけやデータ消去などの専門性を生かし、利用客を取り込む。

査定前に、買い取り金額の目安を検索することもできる

査定前に、買い取り金額の目安を検索することもできる

7月下旬に配信を始めたアプリ「ラクウル」では、パソコン、スマホ、デジタルカメラといった家電のほか、ゲームやフィギュアの買い取りを申し込める。梱包する箱の大きさや集荷の希望日、氏名、住所などを入力すれば宅配会社が自宅まで回収に訪れる。2、3日程度でアプリに査定結果が届き、売るかどうかを選択できる。

配信後、多くの利用者にダウンロードされており、買い取り件数アップにもつながっているという。「操作が簡単」「申し込みがスムーズにできた」などといった声が寄せられているという。

アプリの配信に合わせ、実店舗での利用客に対する働きかけも強化した。パソコンやデジカメ、スマホなどの家電はこれまで使っていた機種からの買い替えが多い。ビックカメラで新機種を購入した利用客に対し、梱包キットの無料配布を始めた。新機種を購入するタイミングで、それまで使っていた機種の売却を促す。

ビックの有楽町店(東京・千代田)など4店で先行で配布を始め、8月中旬からはスマホを取り扱っているグループの175店舗でスマホ用の梱包キットを無料で配布している。1日の配布件数が600件を超える日もあり、販売員が直接利用客に働きかける効果は大きいとみている。無料配布する店舗を全店に広げることも検討している。

中古品を売る際、買い取りを手掛ける企業ではなく、フリマアプリなど個人間売買を選択する人が増えている。経済産業省によると、17年のフリマアプリの市場規模は4835億円で、前年比58%増の急拡大を遂げている。企業にとっては中古品の調達が課題になっている。

自宅や外出先で手続きができる手軽さでは、インターネットが実店舗に勝る。ソフマップはネット上の手続きでも買い取りを行っていたが、買い取りに特化したアプリを配信することでフリマアプリと同じ土俵に立つことになる。渡辺武志社長は「ネット上の手続きの5~7倍の中古品が持ち込まれると見込んでいる」と話す。

これまで買い取りを行ってきた強みも生きる。パソコンやスマホなどでは、個人間売買により個人情報が流出することを恐れる人もいる。ソフマップはデータ消去のノウハウを蓄積している点をアピールする。実際、アプリ配信後には「データの消去を任せられるサービスがうれしい」という声も寄せられているという。

中古品流通が存在感を増す中、ソフマップは、実店舗やネット、アプリなど仕入れルートを増やしながら、新品の販売店などでも利用客の取り込みを図る。

(矢尾隆行)

[日経MJ2018年8月22日付]

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