2018年11月18日(日)

介護離職を本気で減らそう

2018/8/13 23:11
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家族の介護のために仕事をやめる人が、依然として多い。働き盛りの社員の退職は、企業にとっても国民経済にとっても損失だ。経営者は介護離職防止を重要課題ととらえ、手を打つ必要がある。

総務省の2017年の就業構造基本調査によると、過去1年間に介護や看護を理由に離職した人は9万9100人にのぼる。

前回12年調査の10万1100人に比べ、ほぼ横ばいだ。政府は「介護離職ゼロ」を掲げているが、目標達成にはほど遠い。

会社勤めなど雇用されて働きながら介護をしている人は299万9200人で、12年調査より59万9900人増えた。介護と仕事の両立に、政府も企業も本気で取り組まなければならない。

企業の役割は、両立に向けて社員が努力しやすい環境を整えることだ。短時間勤務制度など柔軟に働ける仕組みが欠かせない。

国の介護休業制度や企業独自の休暇制度などを社員が理解できるように、マニュアルをつくることも求められる。一定の年齢に達した社員を対象に、説明会を開催することも必要だろう。

家族の介護をすることになった社員の心理的負担は大きい。これを軽減できるよう、企業は丁寧な情報提供に努めるべきだ。

一方で、業務が滞らないよう、介護に時間をとられやすい社員のカバー体制も大切だ。管理職などについては一人ひとり、代わりに仕事をこなす人を日ごろから決めておくといいだろう。補完体制づくりが、本人が安心して介護に携われることにもつながる。

介護サービスも利用しやすくしなくてはならない。ただ、介護の現場では人手不足が深刻だ。新しい在留資格を設けるなど、外国から人材を受け入れる間口を政府は広げているが、限界がある。

介護現場で働く人の収入を増やすことで人手不足を和らげていくのが本筋だ。介護保険外の付加価値の高いサービスを事業者が柔軟に提供できるよう、規制改革を政府は強力に推進すべきだ。

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