2018年9月20日(木)

内需主導の持続的な成長を固めたい

2018/8/11 1:06
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 内閣府が10日発表した2018年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.5%増えた。0.2%のマイナス成長だった1~3月期から改善した。

 このペースが1年続くと想定した年率換算では1.9%成長となり、日本の潜在成長率とされる1%程度を上回る。民間エコノミストらの事前予想をしのぐ成長となり、景気が緩やかな回復軌道に復帰したことを裏付けた。

 だが先行きについて油断は禁物だ。まず米トランプ政権が仕掛ける「貿易戦争」の行方が見通せない。中国など新興国市場では景気に不透明感が増している。

 賃金上昇の流れを個人消費の活性化につなげ、海外需要に過度に依存しない、内需中心の持続成長の道筋を固めておきたい。

 4~6月期の実質GDPの回復を主導したのは全体の6割を占める個人消費だ。前期比0.7%増は1年ぶりの高い伸びとなり、自動車や家電といった耐久財の売れ行きが好調だった。

 同じ期間の雇用者報酬が前年同期比4.3%増と24年ぶりの上昇率を示している。賃上げの裾野の広がりが消費に結びつく好循環が始動したのか、が注目点だ。

 日本の上場企業は18年3月期決算まで2年続けて最高益を更新しており、企業の設備投資は引き続き堅調だった。4~6月期は前期比1.3%増と7・四半期連続で増勢が続いている。

 気になるのは外需の動向だ。4~6月期の「財・サービスの輸出」は年率0.8%増にとどまった。17年度は通年で6.3%増と日本経済の最大のけん引役だったのが、失速気味だ。10年間にわたって拡大してきた世界経済の減速の兆候だとしたら、外需依存のリスクが高まろう。

 もちろん当面の最大のリスクはトランプ政権である。11月に中間選挙を控え自動車の輸入関税の引き上げを持ち出してきたら、日本経済も無傷ではいられない。

 国内でも19年10月に予定する消費税率の引き上げと、20年夏に開催する東京五輪・パラリンピック後の関連投資の反動減という、景気の難所が控えている。

 好業績で余力のある企業は賃金や配当を通じて家計に積極的に還元する。政府は労働市場改革など内需を刺激し、潜在成長率を高める対策を推進し、外需の変調に備える必要がある。

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