ポケGO、プレーヤー数大幅回復 「交流とリアル」注目ゲット
先読みウェブワールド (山田剛良氏)

2018/8/16 6:30
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NIKKEI MJ

米ナイアンティック社などが提供する位置情報ゲーム「ポケモンGO」が勢いを取り戻している。アクティブなプレーヤー数が増え、5月に前年同月比74%増の売り上げを記録した。リアルイベントの開催やポケモン交換などでプレーヤー間の交流を促す方針に転換。休眠ユーザーの再活性化に成功したもようだ。

交換機能が備わったポケモンGOは神奈川県横須賀市でイベントを開く

交換機能が備わったポケモンGOは神奈川県横須賀市でイベントを開く

「ゲームが再び盛り上がってきたタイミングで公認イベントを開催できるのはうれしい」と話すのは、横須賀市文化スポーツ観光部観光課長の矢部賢一さん。

同市は8月29日から市内の3つの公園でポケモンGOの公認リアルイベント「ポケモンGOサファリゾーンインヨコスカ」を開催する。5日間で約10万人のプレーヤーが同市を訪れると見込む。「2日で5万人を集める毎年5月の『よこすかカレーフェスティバル』に匹敵する最大のイベントになる」

実は矢部さんも熱心なポケモンGOプレーヤー。「自分のような古参のプレーヤーが今まで以上にやる気になるような改良が次々と導入されて、周りも盛り上がっている」と話す。

その象徴のひとつが6月に導入した「ポケモン交換」の機能だろう。手持ちのポケモンを「フレンド」と交換できる。こうしたプレーヤー間交流の促進はソーシャルゲームやスマートフォン(スマホ)ゲームではよく使われる手法のひとつ。フレンドが増えるほどさまざまな特典を得られるので、プレーヤー自身が他のプレーヤーを勧誘してくれるし、仲良し度を高めるほど得をするので、プレゼントを贈るためにゲームを毎日起動する。その時に見えるフレンドの活動状況に刺激されて、ゲームへのモチベーションを高める効果も期待できるからだ。

ただポケモンGOは当初、ユーザー間の交流に慎重だったフシがある。当初はあくまで1人で楽しむゲームで、街で他のプレーヤーに出会っても特に交流が生まれないように作られていた。

リアルや交流への転換は7月に国内実施したスポンサーイベント「スペシャルウィークエンド」でも見て取れる。ポケモンGOの公式スポンサーであるマクドナルドやイオン、タリーズコーヒーなどの店舗で指定の商品を購入したプレーヤーだけが参加できるイベントで、他では入手できない特別なポケモンなどが得られた。参加券の配布日には行列ができる店舗が出たほど盛り上がった。

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て16年から日経テクノロジー・オンライン(現・日経 xTECH)副編集長。17年10月から日経ものづくり編集長も兼任。京都府出身

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て16年から日経テクノロジー・オンライン(現・日経 xTECH)副編集長。17年10月から日経ものづくり編集長も兼任。京都府出身

横須賀のイベントでも参加は事前申し込み方式になっている。1回の応募でプレーヤー3人まで参加でき、「友だちのプレーヤーを誘って参加してほしい」という意図が見て取れる。

方針転換の理由の一つにはポケモンGOのプレーヤーが大人中心だということがありそうだ。リアルや交流で余計なトラブルが起こるリスクが低く、リアルイベントなどはさまざまな場所を訪れるきっかけになるなどむしろゲームを楽しくする要素になり得る。リリースから2年経ち、プレーをやめてしまった膨大な大人の休眠ユーザーに狙いを絞り、再び掘り起こす狙いもありそうだ。

米調査会社が6月末に公表した調査でポケモンGOはモバイルゲームの売上高で世界4位に入った。アクティブプレーヤー数が2016年以来の多さを記録したと特記された。

交流とリアルへの舵切りの成功はポケモンGOを再活性化した。今後も息の長いゲームとして稼ぎ続けられそうだ。

[日経MJ2018年8月12日付]

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