2018年9月19日(水)

中東の緊張高める制裁復活

2018/8/7 23:13
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 展望を欠く圧力と言わざるを得ない。対立を助長し、中東の緊張を高めるだけだ。米政府がイラン核合意からの離脱に伴い、経済制裁を一部、復活させた。

 イランは強く反発し、米国への敵対姿勢を強めている。日本を含む国際社会は、イランを核合意につなぎとめる努力を粘り強く続けなければならない。

 トランプ米大統領は今回、鉄鋼や自動車分野を対象とする制裁を再開させた。11月には石油や金融取引についても制裁を復活させる方針だ。米政府は日本や中国、欧州各国などに、11月の期限までにイラン産原油の輸入をゼロにするよう求めている。

 制裁の適用を恐れる外国企業がイラン市場から撤退する動きが相次ぐ。イラン国内では通貨リアルが急落するなど、経済悪化への不安が広がっている。

 トランプ大統領はイランの締め付けを強化する一方、ロウハニ大統領との対話に応じる用意に触れた。北朝鮮と同様に、圧力と対話の硬軟両方で譲歩を引き出そうとの考えかもしれない。

 だが、ロウハニ大統領は「米国は決断を後悔するだろう」と警告した。原油輸送の動脈であるホルムズ海峡の封鎖にも言及した。制裁の復活でイランが国際的な孤立に逆戻りすれば、反米強硬派の台頭を許すことになりかねない。

 そうなると、トランプ大統領が描く対話は遠のくばかりか、イランの離脱によって核合意が崩壊し、中東の核開発競争が再燃する危険も覚悟しなければならない。

 日本や欧州、ロシア、中国など、米以外の主要国は核合意の維持を訴えている。河野太郎外相はイランのザリフ外相との会談で合意継続の必要性を確認した。日本は歴史的にイランと良好な関係を維持してきたはずだ。深まる亀裂の修復へ橋渡し役に努めてほしい。

 同時に各国と連携し、米制裁のイランへの影響を緩和する方策を探る必要がある。イランに対し、地域の緊張を高める挑発行為の自制を求めていくことも重要だ。

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