2018年9月25日(火)

物流危機の解消へ企業が手を携えて

2018/8/7 23:13
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 ライバル企業と組んで商品を共同輸送するなど、物流危機への対応策が進んできた。物流各社だけでなく、さまざまな企業で輸送効率を高める努力が重要だ。危機解消に向け、企業の連携をいかしてほしい。

 アサヒビール、キリンビールなどのビール大手4社は、2017年9月に北海道で商品の共同輸送を開始。今年4月には関西と九州を結ぶ幹線輸送について、トラックから鉄道への切り替えにも共同で着手した。

 ビール大手の試算によれば、関西と九州間の鉄道移行で年間トラック2400台分、排出する二酸化炭素(CO2)の量で7割強の削減効果が見込める。他の業界や企業でもトラックから鉄道、フェリー輸送へのシフトを進めてもらいたい。

 商品を共同で運ぶことはムダなスペースを減らし、物流の効率化につながる。食品業界でも味の素カゴメ日清オイリオグループなど6社が共同輸送を始めた。グループ企業の枠を越え、製紙や液化石油ガス(LPG)業界でも共同輸送の取り組みが出てきたことは評価できる。

 6月に成立した働き方改革関連法の時間外労働の規制は、自動車運転業務への適用が5年猶予される。しかし、トラックなどの運転業務は人手不足が深刻で、時間外労働の水準も全職種平均を大きく上回る。猶予期間中も長時間労働、低賃金といった問題を放置すれば物流危機の解消は遅れる。

 物流企業は働き方を改善し、商品を運んでもらうメーカー、小売りも連携を急ぐべきだ。荷物を積むまでの「待ち時間」を短縮するためには、企業間でIT(情報技術)を導入する必要がある。

 手積み作業の負担が重く、輸送企業から敬遠されてきた農産物の物流改善も急務だ。農林水産省は近く、物流企業や農業協同組合などの生産者団体、小売りなどを集め、農産物輸送の効率化に向けた協議会を立ち上げる。

 電子タグを付けた同じ規格のパレット(荷台)を産地から小売りまで回し、トラックドライバーが段ボール箱を手作業で積み下ろしする手間を軽減する。

 肝心なのは企業が連携し、どこにムダがあり、それをどう改善できるかの問題意識を共有することだ。輸送現場の負担を減らす、効率的な物流に知恵を出し合ってほしい。

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