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春秋

パンダの尻尾は白か黒か。真のファンか否か判定するクイズだそうだ。正解は白。しかし街の玩具や絵には黒派も多い。本物が上野で公開される前、イラスト画家の内藤ルネさんが「この方がかわいいから」と尾を黒く描きそのまま商品に。その影響という説を読んだ。

▼1950年代から70年代、内藤さんの描く絵やデザインは女の子や若い女性を引きつけた。雑誌の付録、イチゴ模様のシール、白い家具。現在につながる「かわいい文化」の元祖とも評される。今年、その少女の絵を故郷の愛知県岡崎市が観光ポスターに起用。この夏は市内各所で関連商品を販売するなどもり立てている。

▼ショッピングモールや道の駅で売り場をのぞいてみた。往年のファンから若者まで客層は幅広い。さすがの人気ぶりだが、自伝「すべてを失くして」(小学館)によれば、順風満帆なだけの人生ではなかった。だまされて財産を失った。パートナーに別の恋人ができた。さらに同性愛者としての悩みもあったと率直に記す。

▼親や知人に結婚を勧められたり、男性2人では家を借りにくかったり。「苦しみやつらさを抱え、ひっそり息をひそめるように生きている人が、こちらの世界にはたくさんいる」と内藤さん。「わからないだけで、隣人がそういう人かもしれない。少しでも思いやっていただけたらいいなあ」。今こそかみしめたい言葉だ。

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