2018年11月14日(水)

通勤ラッシュを脱する働き方改革を急げ

2018/8/2 23:04
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大都市の通勤電車の混雑がいっこうに改善しない。1日1~2時間を窮屈な空間で過ごすストレスは大きい。通勤ラッシュは働く人の意欲や健康にも悪影響を及ぼし、ひいては職場の生産性向上の妨げにもなりかねない問題ととらえるべきだ。時間差通勤や在宅勤務など働き方の見直しも含め、改善策に本腰で取り組む時だ。

2017年度の鉄道各社のピーク時の混雑率(定員に対する実際の乗客の割合)は、東京圏は163%、名古屋圏は131%、大阪圏は125%で、この10年はほぼ横ばいだ。東京圏の一部では199%という路線もある。

鉄道会社は輸送力を上げるために増発や車両の大型化を進めてきたが、それも限界に近い。線路を増やす複々線化も、投資がかさみ長い年月がかかる。ハードだけに頼らない通勤ラッシュ緩和の取り組みが重要になっている。

東京都は時間差通勤を呼びかけ、800社以上の企業が運動に参加している。参加企業をさらに増やすとともに、企業は労働時間を柔軟にするなどの改革を進めてほしい。ピーク時を避けて通勤する乗客を優遇する策も効果的だろう。一部の鉄道会社は早朝通勤にポイントを付与するなどの工夫をしている。

なぜ多くの人が朝の同じ時間帯に出勤しなければならないのか。ITなど新技術の活用で、従来の通勤の常識も変えることはできる。オフィスに物理的に出勤する必要がある人員は実際にどれぐらいなのか。それを問い直すことは、企業の生産性向上にもつながる。

多くの企業は在宅勤務を、子育て中の女性など一部社員に限っているが、対象をもっと広げるべきだ。日立製作所は2~3年以内に国内社員の過半の10万人が自宅や外出先で働ける環境を整える。こうした取り組みが重要だ。

テレビ会議など遠隔コミュニケーションの技術環境は急速に整ってきている。通勤電車に乗らないですむ自宅近くのシェアオフィスを使うなどの手段もある。常に職場で監視しなければ社員は怠けるという発想は改める時だ。

2年後の2020年の東京五輪・パラリンピックの開催時には訪日客が増え、かなりの混雑が予想される。同じく大都市で開催した12年のロンドン五輪の際は、政府の呼びかけもあって在宅勤務が急速に普及した。こうした海外の経験も生かしたい。

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