2018年9月21日(金)

JR北再建は基本に立ち返れ

2018/8/1 23:23
保存
共有
印刷
その他

 経営再建中のJR北海道に、国土交通省が2年間で400億円台の公的支援をすることを決めた。人口減の著しい北海道で鉄道を取り巻く経営環境は年々厳しさを増している。支援が単なる赤字の穴埋めに終わるのでは意味がなく、キリもない。この2年間を持続可能で自立した地域交通をつくる第一歩にする必要がある。

 JR北の再建をどう進めるか、鉄道という輸送体系の基本に立ち返って考えたい。鉄道の得意技はバスや車にはマネのできない大量輸送だ。線路の整備維持や車両調達にかかる固定費は高いが、大人数を運ぶことで乗客1人あたりのコストは下がり、二酸化炭素の排出など環境負荷も減る。

 裏返せば、少人数しか利用しない路線は必要な費用をまかなえず、投資不足から輸送の基本の「安全」さえ揺らぐ恐れがある。

 その場合はバス転換などを検討するのが本筋だ。あまり費用をかけずに便数を増やしたり、近くの学校や病院を経由する新ルートを開設したりして、利便性を高める可能性も広がる。

 これは人口減や車との競争で乗客の減り続ける他地域のローカル線についてもいえる。「何が何でも鉄路維持」という発想を再考すべき時期である。

 JR北では近年「あわや大事故」という重大事態が続発し、悪質なデータ改ざんも発覚した。

 同社はその後「単独では維持困難な13線区」を公表し、バス転換などに向け地元との協議に入ろうとしたが、必ずしも計画通りにいっていない。背景には経営や組織のあり方に対する住民や自治体の不信感があろう。

 島田修社長は「この2年間で目に見える成果を出す」と繰り返し言明した。与えられた時間を有効に使い、鉄道の実情について関係者の理解を得て、持続可能な地域交通に向けて踏み出す時だ。

 国交省もJR北に厳しく向き合う必要がある。支援がとめどなく続くようなら、痛みを伴う改革に本気で取り組む人はいなくなる。

秋割実施中!日経Wプランが12月末までお得!

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報