2018年9月21日(金)

実効あるプルトニウム削減を

2018/7/31 23:20
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 国の原子力委員会が、原子力発電所の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムについて新たな利用指針を決めた。原発で燃やすプルサーマルを着実に進め、日本の保有量がいまの水準を超えないよう再処理の抑制を求めた。

 プルトニウムは使用済み核燃料の再処理で生じ、日本は国内外に47トンを保有している。核兵器への転用が可能なだけに、国際社会の懸念は強い。海外からこれ以上の疑念を抱かれないよう、原子力委が透明性の確保と着実な削減を求めたのは当然といえる。

 政府と電力会社は原子力委の注文を重く受け止め、真剣に削減に取り組むべきだ。原子力委も毎年の削減状況を監視し、指針の実効性を確保する必要がある。

 まず重要なのはプルサーマルへの国民の理解を得て、着実に進める環境を整えることだ。電力業界は16~18基で実施する目標だが、安全審査に合格して地元の同意を得ているのは4基にとどまる。

 関西電力は大飯原発(福井県)で追加的にプルサーマルの実施を検討している。電力会社だけでなく政府も前に出て説明し、地元の理解を得るべきだ。原発を再稼働済みの電力会社が未稼働の電力会社のプルトニウムを引き受けるなど、各社間の協力も要る。

 プルトニウムの生産を抑えることも重要だ。青森県六ケ所村の再処理工場は3年後の操業開始を目指している。フル稼働すると、原発で使った以上にプルトニウムが増えてしまう可能性が大きい。

 指針ではプルトニウムが増えないように再処理工場の運転計画を決め、政府が認可するとした。この仕組みが機能するよう、原子力委がチェックする必要がある。

 日米原子力協定が7月に延長され、日米の一方が6カ月前に通告すれば破棄できるようになった。同協定がなければ日本は再処理ができず、米国が態度を変えれば日本の政策が揺らぐ。それを避けるためにも日本はプルトニウム利用を透明にし、国際社会の理解を得ることが欠かせない。

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