2018年11月22日(木)

「つながる車」が普及するための課題は

2018/7/29 23:13
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インターネットや無線通信を使い、自動車をより安全で便利にする動きが世界で加速している。日本の自動車メーカーも「つながる車」の普及を推進し、産業の競争力を高める必要がある。

トヨタ自動車は6月に発売した「クラウン」などを手始めに、国内で販売するほぼすべての乗用車に通信機能を内蔵する方針だ。米国でも同様の取り組みを進める。中堅メーカーではSUBARU(スバル)が日本と北米で売る新車の8割以上をつながる車とする。

通信の活用により、事故の際に自動で救急車を呼んだり、危険な場所をあらかじめ運転者に知らせたりできるようになる。故障の予知や、安全運転を心がけている運転者の自動車保険料を割り引くといったことも可能だ。

つながる車には多くの利点がある一方で、課題も残っている。

急いで取り組む必要があるのは、セキュリティー対策だ。対象製品が増えると、サイバー攻撃のリスクは高まる。特に自動車の場合は重大な事故を招きかねない。

各社の対策強化に加え、複数の企業や研究機関などが緊密に協力することが重要になる。

通信に必要なコストは最終的に利用者に負担を求めることが多く、継続的にお金を払ってもらうには魅力的なサービスを提供する必要がある。多くの利用者がすでにスマートフォンを使っており、自動車ならではの便利なサービスが求められる。

自動車メーカーが単独でサービスをつくるのには限界があり、外部企業と組むのが現実的だ。外部企業を従来の下請けではなく対等なパートナーとして扱うことが、その力を引き出す近道となる。

技術の規格をめぐる国際的な競争の行方も気がかりだ。

まず重要なのは世界の動きに対する感度を高めることだ。自動車メーカーにはネットやIT(情報技術)に詳しい人材が少ない。必要に応じて外部からも起用し、責任のある立場に就けるべきだ。

自動車の規格では欧州の企業が策定に向けた議論を先導する動きが目立っている。第5世代(5G)と呼ぶ次世代の無線通信サービスの活用でもこうした傾向が強い。日本の主要な自動車メーカーも議論の枠組みにしっかりと加わり、意見を反映させる必要がある。

独自規格にいたずらに固執して孤立すれば、携帯電話のような「ガラパゴス」になりかねない。

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