2018年9月24日(月)

好調な米国経済を脅かす政策リスク

2018/7/28 23:29
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 4~6月期の米国の実質国内総生産(GDP)は前期比、年率換算で4.1%増と約4年ぶりの高い伸びとなった。米経済の拡大局面は7月で10年目に入った。足元の経済活動は堅調を保っているが、先行きには不安材料もあり、警戒が必要だ。

 4~6月期は個人消費、設備投資ともに好調で、成長率は2.2%だった1~3月期から高まった。トランプ政権の実施した大型減税の効果もあり、個人消費は強く雇用も拡大を続けている。緩やかだった賃金、物価上昇率も最近はしだいに高まり、物価は米連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%近辺に上がってきた。

 2008年のリーマン・ショック後の金融危機から立ち直り、息の長い拡大を続ける米経済だが、先行きにはリスクもある。その多くは米国の経済政策運営をめぐるものだ。

 第1のリスクはトランプ政権の保護主義政策だ。鉄・アルミに続いて、自動車への追加関税の検討を進めている。欧州連合(EU)などとの間では話し合いによる解決の機運も出ているが、11月の米議会中間選挙を前にトランプ政権の出方は予断を許さない。

 自動車への追加関税が実際に発動されれば、自動車のサプライ・チェーンへの直接の影響だけでなく、金融市場の動揺や企業・消費者の心理悪化など間接的な悪影響も広がる恐れがある。

 第2のリスクは米金融政策だ。FRBは、息の長い成長を支えるため今後も段階的な利上げを続ける方針を示している。金融市場では年内にあと1~2回利上げするという予想が多い。

 米金利の上昇は、国際的な資金の流れにも影響を及ぼす。特に今は一部にとどまっている新興国からの資金流出が、今後の米国の利上げしだいではさらに広がり、金融・株式市場の動揺を招く恐れがある。外国為替市場でも新興国通貨安・ドル高が加速する可能性もある。

 市場のリスクをさらに高めかねないのが、トランプ大統領の金融政策や為替相場についての不規則発言だ。大統領がFRBの金融政策に介入する発言を続けると、それ自体が市場の混乱材料になるばかりでなく、FRBが大統領の圧力に屈しまいとするあまり、金融政策の判断がゆがむ懸念も生じる。米当局者には慎重な政策運営をのぞみたい。

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