2018年11月14日(水)

朝鮮戦争終結は環境整えよ

2018/7/28 0:29
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朝鮮戦争の休戦協定締結から27日で65年がたった。北朝鮮は体制の保証を取りつけるため、終戦宣言を早期に実現するよう米国や韓国に迫っている。だが、北朝鮮が約束した朝鮮半島の完全な非核化のメドが立たない状況では、終戦宣言は尚早だ。

韓国と北朝鮮は4月の南北首脳会談で年内の終戦宣言をめざすことで合意した。6月の米朝首脳会談では共同声明に明記しなかったものの、トランプ米大統領は近いうちの合意に期待を表明した。

戦争状態を正式に終わらせるには、法的拘束力を持つ平和協定を結ぶ必要がある。北朝鮮はまず終戦宣言をテコに米国から攻撃されにくい状況をつくる狙いだろう。朝鮮戦争で戦死した米兵の遺骨を米側に返還したのも、そのためのアピールととれる。

注意すべきは、数十発ともされる核弾頭には手を付けていないことだ。日本や韓国をにらんだ弾道ミサイルや生物・化学兵器も、大量に保有したままだ。

「最後の冷戦地帯」といわれる朝鮮半島の人々にとって、民族内で争った戦争に終止符を打ち平和を確かなものにするのは、悲願だろう。ただ、拙速は慎む必要がある。終戦宣言が及ぼす影響が大きいとみられるからだ。

米朝の和解が印象づけられ、北朝鮮に科す国際社会の経済制裁網が緩みかねない。平和協定への転換をめぐる議論で北朝鮮や中国が在韓米軍の縮小を求める可能性もでてくる。やみくもな終戦宣言は禍根を残しかねない。

今月上旬の米朝高官協議では、休戦協定を締結した27日に合わせて終戦宣言を発表するよう北朝鮮が求めた。これを米国が受け入れなかったのは妥当である。

韓国の文在寅大統領は終戦宣言が非核化を後押しするとみる。トランプ氏も本来、宣言自体には前向きとされる。日米韓が協調して北朝鮮に核とミサイルの廃棄を促しながら終戦宣言の環境を整えていく、という本筋を貫くうえで、日本が果たすべき役割は重い。

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