2019年4月22日(月)

IoTでニッポンに浸る小江戸(千葉県香取市佐原地区)
おもてなし 魅せどころ

コラム(ビジネス)
2018/7/30付
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千葉県香取市の佐原地区は江戸情緒が息づく町並みで知られ、観光客で連日にぎわっている。成田空港から車で30分という地の利を生かし、近年はインバウンド(訪日外国人)が存在感を増しつつある。

映画のロケ地となったことを契機にタイ人観光客が増えている

映画のロケ地となったことを契機にタイ人観光客が増えている

江戸時代に利根川の船運で栄え、船着き場には小舟が浮かぶ。柳が枝垂れる小野川沿いにはいまも木造の民家や土蔵が立ち並ぶ。

約300年続く年2回の山車行事「佐原の大祭」は2016年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。巨大な人形を乗せた山車が勇壮に巡り、7月の大祭には36万8千人が訪れた。

関東近郊からの客が多いなか、行政は訪日客の取り込みに力を入れる。17年度に香取市を訪れた外国人観光客はタイや台湾を中心に4895人。「佐原観光が主目的の訪日客は着実に増えている」(市商工観光課)と前向きだ。

ただ成田空港から近いだけにほとんどは日帰り客。地元での消費につながらない。課題の解決に一役買おうとしているのが、あらゆるモノがインターネットでつながる「IoT」を導入する宿泊施設だ。

小野川周辺の古民家などを改装した「佐原商家町ホテルNIPPONIA」は各客室に「スマートプレート」を備える。宿泊客はスマートフォン(スマホ)をかざすと、宿泊施設の利用方法や観光情報を日英中タイの4カ国語でスマホに取り込める。

今年3月に開業した「HOSTEL Co-EDO」はさらにネットにつながったカメラをフロントに取り付け、従業員がいない時でも対応できるようにした。地方では外国語で対応できる人材の確保が難しいが「IoT導入で少人数でも多言語で対応ができる」(NTT東日本千葉事業部)ようになった。

外国人宿泊客は全体の1割程度だが「館内設備が充実している」と好評だ。観光まちづくり会社「ニッポニアサワラ」(香取市)の杉山義幸社長は「インバウンドが国内の定番から、地方の観光地に目を向け始めている」と手応えを語る。

観光庁によると、訪日客による千葉県での消費単価は17年に8946円で、東京都(6万7926円)の2割に満たない。成田空港に近い立地を生かして、いかに滞在型観光地に転換するか。小江戸にIoTを組み合わせ、佐原地区はインバウンド誘致に挑む。

(千葉支局 飯塚遼)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2018年7月30日付]

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