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米中で無人コンビニ沸騰 機動力の良さ日本でも

奔流eビジネス (通販コンサルタント 村山らむね氏)

米中で無人コンビニが熱い。米・シアトルの「アマゾン・ゴー」や中国・上海の「簡24」など無人スーパーへの視察が相次ぎ、その報告会が各所で開かれている。欲しいものをストレスなく購入でき、レジに並ぶ時間が省けるという利点が強烈であるという。

特にアマゾン・ゴーは店内に店員が多く、質問にも丁寧に答えてくれる。完全な無人化というよりは、おもてなしの高度化という印象を持つ人が多いようだ。アマゾンはかなり完成度の高い運営をしており、精算もほとんど正確だったという報告が多い。

一方で中国企業のポリシーはとにかく走り出すこと。商品を手にとったものの認証がうまく起動せず、最後に呼び止められて人手によって精算額を点検されることもままあったりしたようだ。そもそも視察予定の店舗がすでに閉店しているところがあるなど、とにかくやってみるという精神で、うまくいかなければさっさと閉じるという機動力の良さを感じさせた。

筆者が参加した小売り関係者の勉強会では、米中の視察の報告会に加え、アマゾン・ゴーを実際に再現したシステムの体験会があった。

企画した会社は、クラスメソッド(東京・千代田)。アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)で国内有数の実績をもつシステム会社で、なんと3週間で疑似的な体験システムを完成させた。

アマゾン・ゴーはスマートフォン(スマホ)アプリを起動させて入店する。店内各所にあるカメラやセンサーで、一人ひとりの顧客が実際にどの商品を棚から取り出し、どの商品を棚に戻したかなどを瞬時に把握。その情報は手元のスマホアプリに反映され、退店する時点でアプリによって購入した商品を決済する。

5月中旬にアマゾン・ゴーを体験し、衝撃を受けたというクラスメソッド代表取締役の横田聡氏は会社の有志でプロジェクトを発足し、実際に疑似的にシステムを作ってみた。

体験会では多少アプリに反映されないことがありながらも、3週間で作ったとは信じられないほどの内容だった。追跡カメラや商品認識カメラ、ToF(Time of Flight)センサー、重量センサーで来店客の移動と購入を追跡。AWSの既存のシステムを組み合わせ、カメラなども市販の製品を使うことで人件費を除いて100万円かからずに完成したという。

「失敗を繰り返し、何度も作り直すことからこそ新しいことを学べる」と横田氏。日本は無人運転実験やドローンの実用化で、後れをとりつつある。日本企業は成功を目指して、慎重に物事を進めてしまいがちだ。だが、「イノベーション(革新)を生み出すには失敗のコストを最小化することこそが重要」(横田氏)。今後は、日本企業との連携を模索していきたいという。

次世代技術の安全性という観点で、実証実験や実用実験をしづらい風土があるのはしかたないが、このような無人レジ店舗実験は、ほぼ誰も傷つかない。LINEとファミリーマートも、IT(情報技術)分野で提携することが発表されているが、横田氏のような、「すごいな! おもしろい! やってみよう!」「できた!」という熱のある人材をどうか小売りの味方につけてほしいと心から思う。

[日経MJ2018年7月27日付]

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