2018年11月15日(木)

児童虐待防止に総力を尽くせ

2018/7/26 0:52
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東京都目黒区の5歳の女児が両親から十分な食事を与えられず死亡した事件を受けて、政府が児童虐待防止の緊急対策をまとめた。このような悲劇を繰り返してはならない。早急に対応すべきだ。

対策の柱は、児童相談所で対応にあたる児童福祉司の増員だ。今は3253人だが、2022年度までに約2000人を増やす。これまでは虐待件数の増加に、体制が追いついていなかった。

ただ人数を増やすだけでなく、専門性を高めたり、児相間の連携などの改善も必要だ。

今の児相には、経験年数の短い職員も多い。難しいケースにも適切に対応できるよう、研修の充実などを急ぎたい。

今回の事件では、一家が香川県から東京都に転居した際に、児相間で必要な情報が適切に共有されていなかった。今後は、緊急性の高い事案は原則、職員が対面で引き継ぐという。再発防止に連携を強化してほしい。

今回、家庭訪問などで子どもに会えず安全確認できない場合は、立ち入り調査をすることにした。

児相には子どもを一時保護する権限もある。親との関係構築を優先するあまり、行使をちゅうちょすることがあってはならない。親の意に反してでも子どもを守る介入の機能と、家族の相談にのる支援の機能を分けることも一案だ。

虐待防止には、関係する他の機関の協力も必要だ。市町村の相談窓口が充実すれば、児相と一定の役割分担が進むだろう。警察などとの連携も強めなければならない。児童養護施設や里親など、保護された子どもを受け入れる体制を整えることも欠かせない。

政府は9月末までに、健診未受診、幼稚園や保育所に通っていない、などで安全が確認できていない子どもの情報を、市町村が緊急に把握するよう求めた。

児童虐待防止に、何か一つの特効薬はない。地域住民の見守りも大切だ。子どもは社会の宝、という考えにたち、あらゆる手立てを尽くさなければならない。

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