2018年9月26日(水)

地銀のガバナンスは大丈夫か

2018/7/24 23:34
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 地方銀行の不祥事が相次いでいる。不正の形態はさまざまだが共通するのはガバナンス(企業統治)の欠陥だ。超低金利下で地銀の収益環境は厳しい。行きすぎた利益重視に傾きがちな今こそ、経営の質が厳しく問われている。

 2017年末からの立ち入り検査を踏まえ金融庁が業務改善命令を出した東日本銀行が、ガバナンス劣化の典型例だろう。都内を中心とする全83店舗のうち69店舗で、算定根拠が不明な融資手数料を計約1千件受け取っていた。税金を原資とする地方自治体の低利融資をめぐっても不当な手数料を得ており、悪質というほかない。

 不正が膨らんだのは2年前の横浜銀行との経営統合が契機だ。横浜銀優位の統合だけに、東日本銀としては利益を増やしグループ内で存在感を示したいという動機が働いた。営業現場の暴走をチェックするのが取締役会や内部監査の役割だが、機能しなかった。

 同行は先月まで財務省出身者が代々頭取職を占めてきた。生え抜きの幹部人材に比べて指導力や信用力に優れている、という前提があったはずだが、これだけ広範な不正が起きたのはなぜなのか。

 問題は東日本銀だけにとどまらない。これまでたびたび業務改善命令を受けてきた青森県のみちのく銀行で新たに書類偽造が発覚した。内部審査より営業優先の社風で知られた静岡県のスルガ銀行は、不動産融資をめぐる不正で金融庁の「処分待ち」の状態だ。

 地銀の18年3月期決算は、半分超の54行で金利と手数料収入を合わせた本業利益が赤字だった。しかも、うち40行が3期以上続けて赤字という厳しさだ。新たなビジネスモデルの策定や収益源を求める金融庁や株式市場の圧力もある。経営者の焦りは募るだろう。

 だが、目先の収益確保を狙った場当たり的な戦略やむちゃな利益計画は持続不能であり、危険だ。まして不正は論外である。形骸化した取締役会の活性化などガバナンス体制を再点検し、腰をすえて難局に立ち向かうほかない。

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