2018年9月25日(火)

中国は世界経済の普遍的ルール受容を

2018/7/24 23:34
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 米中貿易戦争の中国経済への影響が懸念されている。4~6月期の実質経済成長率は前年同期比6.7%で、伸び率は1~3月期より0.1ポイント下がった。関税の引き上げなど報復合戦の影響で下期から企業投資が鈍れば、国際経済への余波も大きくなりかねない。

 米トランプ政権からの圧力を回避する目的もあって、中国は先に銀行や保険、自動車、鉄道など多くの分野で外国からの投資制限に対する緩和に踏み切った。前向きな取り組みとして評価したい。

 ただ、そうした措置は本来、2001年の世界貿易機関(WTO)加盟決定の際に想定していた内容だ。中国は「相互市場開放の原則に従う」と公約していた。むしろ実行は遅すぎた。中国は一段の市場開放を急ぐ必要がある。

 中国はすでに世界2位の経済大国である。その経済は、大量の工業品を輸出する一方で、エネルギーや農産品の供給を海外に頼る構造となっている。世界経済の普遍的なルールの尊重は中国自身の安定成長を助ける。

 ところが中国では逆行する動きが目立つ。特に昨秋の共産党大会以降、外資系を含む民間企業にも党の下部組織を置くよう圧力が強まった。これでは、外資100%の企業でも経営に共産党が介入する可能性を否定できない。

 問題は、こうした共産党主導の特異な慣行が実質的にWTOルールの枠外にある点だ。WTO加盟の際、欧米などの国々は「中国も変わる」と楽観視していたため、共産党の介入への歯止めを十分に用意しなかったのである。習近平政権は国有企業を「より大きく、より強くする」としている。

 個人消費がけん引する中国の成長率は、足元では18年通年の目標である「6.5%前後」を上回った。だが、債務の圧縮に伴う投資減少に米中報復合戦の影響が出てくれば、下期の足かせになる。

 最近は上海市場の株価低迷が目立ち、不動産市場にも変調の兆しが出ている。人民元安の進行は資本流出の不安を招くと同時に、トランプ大統領の「為替操作」批判を引き起こしている。

 今回の米中貿易戦争には二大国の覇権争いが絡む。それは安全保障上の利害と表裏一体だ。「世界一の富強な国」をめざす中国の対外政策は強硬さが目立っていた。世界経済の安定のため、双方は経済・貿易と安全保障の両面で自制する必要がある。

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