2018年9月22日(土)

IT企業の競争を促すには

2018/7/19 23:09
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 欧州連合(EU)の欧州委員会が米IT(情報技術)大手のグーグルに対し、円換算で5700億円にのぼる巨額の制裁金を支払うことを命じた。

 巨大IT企業の反競争的な行為を取り締まる動きは欧州で先行し、日本でも当局が監視の目を強めている。健全な競争を促し、技術革新を加速させる必要がある。

 欧州委はグーグルがスマートフォンなどの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を端末メーカーに提供する際、別のソフトの搭載を強要し、他のOSの利用も妨げたなどと結論づけた。

 特に競合するOSを排除する行為は競争を減退させる効果が大きい。グーグルは実態を公表し、不正があれば正す必要がある。

 今回の動きは巨大IT企業に自制を促す一方、不適切な行為を取り締まる現在のルールに不備があることも明らかにした。

 ひとつは手続きに時間がかかることだ。欧州委は約3年前にアンドロイドの調査を始めた。グーグルは決定を不服としてEU司法裁判所に提訴する方針を示し、最終的な決定はさらに先になる。

 スマートフォンは市場が成熟し、販売台数は減少している。IT業界のこうした係争では結論が出たときに競争の構図が変わっていることも多く、適切な時期に手を打てるようにすべきだ。

 ネット検索や交流サイト(SNS)などは利用者が増えるほど利便性が高まり、勝者総取りになる傾向が強い。また、事業範囲が世界に広がっていることもあり、地域ごとの対応には限界がある。国際的な連携を深める必要がある。

 巨大IT企業は手元資金が多く、制裁金の直接的な影響は限られる。ただ、対応が長引くと技術革新で後れをとりかねない。

 米IT業界ではパソコンの全盛期にマイクロソフトがネット閲覧ソフトを巡る米司法省との係争に時間を費やし、競争力を低下させた。IT企業は過去の事例も参考に、経営の透明性を高め、ルールづくりに積極的に関わるべきだ。

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