2018年11月19日(月)

米保護主義に警鐘鳴らしたFRB議長

2018/7/19 23:09
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米連邦準備理事会(FRB)は半期ごとの金融政策報告書を米議会に提出するとともに、パウエル議長が17~18日、上下両院で同報告に基づいて証言した。議長は段階的な利上げを継続する方針を示すとともに、トランプ政権の保護主義に警鐘を鳴らした。

パウエル氏は米経済について「労働市場は力強さを保ち、物価上昇率は目標の2%近辺で推移するだろう」と自信を示し、「段階的な利上げの継続が最適だ」と述べた。FRBは今年に入り3月、6月と2回利上げを実施したが、金融市場では次は9月に利上げをするとの予想が多い。

トランプ政権の打ち出した大型減税の効果もあって米経済は好調だ。伸び悩んでいた物価もようやく上昇し始め、FRBの目標とする2%に達してきた。

米国の景気拡大は7月で10年目に入り、拡大局面は戦後最長の10年(1991年4月~2001年3月)を超す勢いだ。

パウエル氏は段階的な利上げで息の長い景気拡大を支援する構えだが、その最大の障害となり得るのがトランプ政権のとる保護主義政策とそれに伴う貿易戦争だ。

パウエル氏は議会証言で「幅広い製品に長期にわたって高関税が課せられれば、米国や相手国の経済に悪影響をもたらす」と保護主義政策に懸念を表明した。さらに「開かれた貿易やルールに基づいた貿易は、米経済の成長に貢献してきた」とも指摘した。

11月の議会中間選挙を前に保護主義政策に突き進むトランプ大統領は、自ら指名したFRB議長の苦言に耳を傾けてほしい。

大統領はこれまで自らの政策に異を唱える閣僚らを更迭してきた。市場関係者の間では、今後FRBが利上げを加速すると、大統領が金融政策に介入し、政権とFRBの対立が深刻になるのではないかという懸念がある。

パウエル氏が同じ議会証言で「米政権は広範に関税の引き下げを求めていくと主張しており、それが実現すれば米経済にも相手国にも良いことだ」と述べ、政権に配慮する発言をしたのも決定的な対立を避けるためだろう。

金融市場に精通し国際協調を重視していたコーン前国家経済会議(NEC)委員長が今春に政権を去ってから、トランプ氏は保護主義路線に傾斜した。FRB議長が管轄外の政策で米政権に注文をつける局面は今後も増えそうだ。

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