2018年9月22日(土)

プルトニウム削減を透明性高めて着実に

2018/7/18 23:12
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 日米原子力協定が発効30年の満期になり自動延長された。日本が核燃料サイクル政策を進めるうえで不可欠な協定だが、今後は日米の一方が通告すれば6カ月後に破棄でき、不透明さも残る。日本は国際社会から疑念を抱かれぬようプルトニウム利用の透明性を高め、着実に削減すべきだ。

 1988年に発効した同協定は日本の原子力発電所から出た使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムを取り出すことを認めた。核兵器を持たない国でプルトニウムの製造が認められているのは日本だけで、特例的な扱いだ。

 エネルギー自給率が先進国では最低水準の日本にとって核燃料サイクル政策は重要な選択肢であり、いま放棄することはできない。その前提になる日米協定が延長されたことは歓迎すべきだ。

 一方で、プルトニウム利用には課題が山積している。電力各社は国内の原発で生じた使用済み核燃料を英仏に委託して再処理し、保有量は海外分を含めて47トンに膨らんでいる。プルトニウムは核兵器への転用が可能なだけに、国際社会の懸念は強い。

 懸念を拭うため、日本はプルトニウム利用を民生目的に限っていることや保有状況、利用計画を丁寧に説明する必要がある。

 政府は今月初めに閣議決定したエネルギー基本計画で「プルトニウム保有量の削減に取り組む」と初めて明記した。前進といえるが、まだ具体策に欠ける。

 国の原子力委員会は近く、プルトニウムの利用指針を改定する。日本の保有量に上限を設ける方針だが、削減の具体策まで踏み込んで示すべきだ。

 まず既存の原発でプルトニウムを燃やすプルサーマルを着実に進める必要がある。電力業界は16~18基で計画している。だが東京電力福島第1原発事故後、審査に合格した原発でプルサーマルが認められているのは4基だけだ。

 これから再稼働する原発で導入できるよう、政府が前に出て地元の理解を得るべきだ。原発を再稼働済みの電力会社が未稼働の電力会社のプルトニウムを引き受けるなど、各社間の協力も要る。

 3年後には青森県六ケ所村の再処理工場が操業を始める。計画通りにフル稼働すれば、プルトニウムが減らした以上に増える可能性がある。再処理工場での処理量の抑制を含め、核燃料サイクル政策全体の見直しも避けて通れない。

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