2018年9月20日(木)

民間人材をいかしデジタル政府を進めよ

2018/7/15 23:15
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 国と地方自治体に関する行政手続きの原則オンライン化を核とする「デジタル政府」を実現させるため、安倍政権は秋の臨時国会にデジタルファースト一括法案(仮称)を出す方針だ。

 デジタル政府の土台になるのは社会保障・税や各種登記の基本インフラとすべきマイナンバー制度である。まず、その使い勝手を高める必要がある。デジタルデータに精通した民間人材を登用し、政府内の推進態勢を固めてほしい。

 行政手続きのオンライン化はインターネットが広がった1990年代からの課題だ。民主党政権がマイナンバーの検討を始めた2010年当時、その利点として引っ越し時の転出入届けや電気・ガス手続きの一括化、法人登記の期間短縮などが挙がっていた。

 これらがなお実現していないのは、政治家にとって集票につながりにくく、本気で取り組む意欲がそがれている面があるからだ。その点で、安倍政権が一括法の立法に乗り出すのは評価に値しよう。

 電子証明書をICチップに載せたマイナンバーカードを持っているのは、1400万人程度にとどまっている。保有者が1千万人に届かず、総務省が失敗と認めた住基カードの二の舞いは許されない。カードの機能を充実させ、使い勝手を高めねばならない。

 そのために、たとえば首相直属のデジタル政府本部を新設し、トップには英米両国に倣ってITやデジタルメディア産業から人材を厚遇でスカウトしてはどうか。制度設計を担当する実務者にも民の力を結集させるのが望ましい。

 具体的には健康保険証、運転免許証など国民が持つ証明書類の一体化を急ぐ必要がある。それらの情報をマイナンバーカードにまとめて載せれば、カードの普及は加速しよう。国民の大多数が持つようになったスマートフォンに載せられるようにするのも一案だ。

 医療情報との連携も重要だ。保険証だけでなく電子カルテ・処方箋やレセプト(診療報酬明細)の情報とひもづけることで、医療ビッグデータの解析が容易になる。患者本位の医療の実現と医療費の無駄減らしの一石二鳥が狙える。

 マイナンバーカードから個人情報が漏れるのでは、という不安がくすぶっていることが普及を阻む一因になっている。堅固なセキュリティー対策を施すのがデジタル政府の役割であることは、いうまでもない。

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