2018年11月18日(日)

NHKは業務範囲を見直せ

2018/7/13 23:06
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インターネットを通じたNHKによるテレビ番組の「常時同時配信」について、総務省の有識者検討会が「一定の合理性、妥当性がある」との判断を示した。

ネットの利用は若年層を中心に広がっており、NHKが活用を目指すのは理解できる。だが、NHKの業務の範囲が野放図に広がっていくのは心配だ。民放やネット企業と競い合う健全な環境を整え、多様性を保つ必要がある。

高速通信網の発達などにより、ネットを通じた情報の入手が容易になってきた。技術の発達を背景にネット企業が台頭する一方、海外では偽ニュースの拡散など新たな課題も浮上している。

まず重要なのはメディアを取り巻く環境が大きく変わっていることを認識し、公共放送の役割を改めて定義することだ。NHKが常時同時配信を始めるには、放送法を改正する必要がある。本質的な議論がその前提となる。

NHKの業務の範囲は新たな定義に基づいて見直すべきだ。

12月に「4K」など高精細な映像による放送を始めるのに伴い、NHKのテレビのチャンネルは6つに増える。一方、日本の公共放送の制度をつくる際に手本とした英国では2016年、BBCがネット事業の拡大に合わせてテレビのチャンネル数を減らした。

NHKも時代の変化により役割を終えた事業は思い切ってやめるべきだ。受信料制度により国民が広く支えてきたNHKの立場を考えると、業務の効率を高めて負担を最小限にとどめるのは当然のことだ。

人口が減少し、海外のネット企業との競争も激化が見込まれるなか、ネット配信で持続可能な枠組みをつくることも課題だ。コスト削減や利便性の向上に向け、NHKは民放と協力する必要がある。

ラジオではスマートフォンのアプリによりNHK、民放いずれの放送も聞けるようにして、聴取者の裾野を広げている。こうした取り組みも参考にしながら、効率的で便利な仕組みをつくるべきだ。

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