2018年11月22日(木)

流通業は新技術で「食品ロス」の削減を

2018/7/13 23:06
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まだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らすため、政府は2030年度までに家庭からの廃棄量を00年度の半分にする目標を定めた。達成には消費者の意識改革が欠かせない。

ただ、それ以上に問題なのは卸や小売りなど流通の過程で廃棄される食品だ。流通業は新技術を活用するなど、食品ロスの削減に知恵を絞ってほしい。

まずは商品の賞味期限を延ばすことだ。セブン―イレブン・ジャパンはサラダや総菜の容器や製法を見直し、期限を6~8割ほど長くした。自然にサラダの廃棄は1割減り、品切れの減少で売り上げも伸びた。

IT(情報技術)も活用の余地が大きい。米欧では同じ商品でも消費期限が迫ったものと、そうでないものとを識別し、自動的に価格を変えて表示するスーパーがある。残りの期間の長短が価格に反映される仕組みは消費者の選択肢を増やし、店頭在庫の削減につながり経営上の利点もある。

日本の小売りは期限が近づいている商品に、手作業で値引きシールをはるといった旧態依然の方法をとっている。新しい技術に目を向ければ、コストを抑えながら食品ロスを減らせるはずだ。

余った食材を売りたい飲食店と、安く買いたい消費者をインターネット上でつなぐ「フードシェア」にも期待できる。安く購入したい人は常にいる。情報をいかに提供し、双方をつなぐかがカギとなるだろう。食中毒を防ぐなど安全性を確保したうえでシェアの輪を広げたい。

食品業界の商慣行についても、改善が必要だ。「3分の1ルール」と呼ばれ、メーカーや食品卸は製造日から賞味期限までの期間のうち、最初の3分の1が過ぎる前に小売店への納品を強いられる。消費者に根強い鮮度志向があるためで、これを超過した食品は廃棄される例が多い。

行き過ぎた鮮度志向については、家庭内でも考え直したい。スーパーでは棚の奥から新しい商品を取る消費者も少なくない。買い方や食べ残しの習慣は親から子へ受け継がれやすいことを自覚してほしい。

日本の食品ロスの総量は年間約650万トンと、世界全体の食糧援助量を大きく上回る。食料自給率が40%を切る日本で、大量の食べ物が捨てられている現状は、倫理的にもこれ以上許されない。

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