2018年11月21日(水)

豪雨被害教訓に危険周知と早期避難を

2018/7/9 23:11
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西日本などを襲った「平成30年7月豪雨」の被害は広範囲に及び100人を超す犠牲者を出した。豪雨による河川の氾濫や土砂崩れはどこでも起きうる。命を守るには正確な情報に基づき一刻も早い避難を徹底しなければならない。

数十年に一度の現象への警戒を呼びかける大雨特別警報は今回、11府県に出た。まれにみる「同時多発型」の豪雨で、被災情報の把握や救助も難しさを増した。

河川の水位はすぐには下がらない。土壌は水分をたっぷり含み、わずかな雨でも土砂崩れなどを招く。関係省庁や自治体は十分に注意して救助活動にあたってほしい。暑さによる熱中症や衛生状態の悪化も心配だ。電気、水道などの一刻も早い復旧が望まれる。

日本では山あいや川沿いに多くの人が暮らす。洪水や土砂災害のリスクが高い場所は避けるのが理想的だが、限られた国土では難しい。豪雨の危険をいち早く知らせ早期の避難を促す工夫が要る。

気象庁は数日前から大雨の可能性を予想し、5日には記者会見で警戒点を説明した。しかし、いつどこが危険かピンポイントで予測するのは難しく、情報が十分に活用されたとは言い難い。

防災無線による避難の呼びかけが適切になされ、住民に聞こえたかなどの点検が必要だ。警報の意味と、とるべき行動に関する理解も不十分だったのではないか。

気象庁が2013年に発表を始めた特別警報は「最後の警告」であり、本来はその前の警報の段階で避難すべきだ。特別警報が出て慌てて外に出ては、かえって危険な場合もある。

温暖化が進むと大気中の水蒸気量が増え、一気に雨となって落ちるので豪雨が増えるとされる。実際、1時間あたり80ミリ以上の猛烈な雨の回数は増加傾向にある。

国土交通省は計画中の主要河川の堤防整備を急ぐべきだ。前提となる雨量の見積もりなども見直す必要がないか検討してほしい。

一人ひとりが日ごろから、自分の身の安全を守る意識をもつことも大切だ。ネットなどで刻々変わる雨の降り方や土砂災害の起きやすさの情報を集め、避難などの判断材料にする習慣をつけたい。

豪雨で産業活動が止まると経済への打撃が懸念される。今回、工場の一時操業停止などを迫られた企業もあり、事業継続計画(BCP)にぬかりはなかったか点検する必要がある。

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