2018年8月19日(日)

米国でペット関連スタートアップ活況 市場拡大に大きな期待
奔流eビジネス (スクラムベンチャーズ マーケティングVP 三浦茜氏)

コラム(ビジネス)
ネット・IT
2018/7/6付
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 2018年1月にソフトバンク・ビジョン・ファンドが、犬の散歩代行を手掛けるスタートアップ企業「ワグ」に3億ドルの巨額な投資をして話題となった。米国では最近、スタートアップ企業が手がけるペット関連サービスが活況を呈している。散歩代行、DNA診断、ペットグッズサブスクリプション、ペットフードカスタマイズ……、飼い主にとって、そしておそらくペット自身にとっても、かゆいところに手が届く米国のペットサービスを紹介したい。

かゆいところに手が届くサービスが続々登場している=ロイター

かゆいところに手が届くサービスが続々登場している=ロイター

 まずは前述のワグ。15年創業で、現在は全米の100都市以上でサービスを提供している。散歩、ペットシッター、ペットの宿泊が主なサービス。犬のトレーニングも近々、スタートする予定だ。サービスを請け負ってくれるドッグウォーカーやシッターと、ペットの飼い主をスマートフォン(スマホ)のアプリで簡単にマッチングしてくれ、飼い主にとっては気軽に利用することができるサービスだ。

 登録されているドッグウォーカーやシッターはバックグラウンドチェックがされているだけでなく、自己紹介動画やレビューによって信頼が担保されている。また飼い主はアプリを使い、散歩中も全地球測位システム(GPS)でペットがどこにいるかを確認することができる。

 ワグと類似のサービスを提供するローバーも3月に1億5500万ドルを調達した。正直なところ、筆者には犬の散歩代行にこれほどの期待と資金が寄せられる真相はわからない。米国だけでペットサービスのマーケットは700億ドル規模とされるが、それでも世界市場の40%以下と言われている。ペット市場を一気に取りに行くサービスとして期待されているのかもしれない。

 家族同然だが、言葉が通じないペットとのコミュニケーションの溝を埋めるサービスも相次いでいる。

 DNA診断のエンバークを使えば、200ドルほどでペットの血統、かかりやすい病気を調べることができる。米国の場合、アニマルシェルターなどで保護されている犬をアダプトするのが一般的なため、どういった血統の犬なのか見た目だけでは判断が難しいことが多々ある。そういった背景もありDNA診断のニーズが高いのだろう。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズ マーケティングVP。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズ マーケティングVP。

 またペット向けのサブスクリプションサービス「バークボックス」に登録すれば、月21ドルでペットのおもちゃやスナックなどが届く。届くものは毎月異なるため、言葉でコミュニケーションできないペットの好みを理解するには、有効な手段ではないだろうか。飼い主が全く考えもしなかったスナックやおもちゃに飛びつくかもしれない。

 犬のためのカスタムドッグフードのサービス「ファーマーズドッグ」もあり、犬種や年齢、体格などのアンケートにこたえると、その犬にぴったりなドッグフードを届けてくれる。最近は、不在時に家の様子を確認することができるファーボやペットキューブといったあらゆるモノがネットにつながる「IoT」機器も人気だ。

 ペットサービスの充実で犬を飼う事の敷居が下がっているように感じる。かくいう筆者も最近、ペットとの暮らしに興味を持ち始めた。ソフトバンクの投資は700億ドルの既存市場だけでなく、未来の市場拡大も見越したものかもしれない。

[日経MJ2018年7月6日付]

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