2018年11月21日(水)

TPP11の発効を保護貿易の防波堤に

2018/7/1 23:05
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米国を除く環太平洋経済連携協定(TPP)参加11カ国の新協定「TPP11」が国会で承認され、その関連法も成立した。日本の国内手続きはほぼ完了し、他国の批准を待つことになる。

米国が主要国に貿易戦争を仕掛け、世界経済は縮小均衡の危険にさらされている。自由度の高い貿易・投資協定のモデルといわれるTPP11の発効を急ぎ、保護貿易の防波堤を築きたい。

TPP11の参加国の国内総生産(GDP)は10兆ドルを超え、世界全体の13%を占める。アジア太平洋地域に公正で透明な経済ルールを定着させ、成長力の高い巨大市場をつくる意義は大きい。

米国の身勝手な輸入制限は中国や欧州などの報復を招き、世界は自由貿易の推進力を失いつつある。モノに課す関税の大半を撤廃し、電子商取引や知的財産などの規律も定めるTPP11が、必要性を増しているのは確かだ。

日本はメキシコに続き、2番目に国内の手続きを終えた。残り9カ国のうち4カ国以上の手続きが完了すれば、60日後に発効する。参加国は早期発効を目指し、必要な対応を進めてほしい。

TPP11が発効すれば、参加国の拡大交渉も可能になる。実際、タイやインドネシア、韓国、台湾、コロンビアなどが新規加盟に関心を示しているという。

保護貿易の圧力に抵抗し、世界の成長センターを育む仲間が増えるのは歓迎だ。TPP11の高い水準を維持できるのなら、参加国の輪を広げてもいい。

米国の復帰を粘り強く促す必要もある。米国を含めた12カ国のGDPは世界全体の38%に達するだけに、より大きな経済効果を期待できる。中国の国家資本主義に対抗する力も増すだろう。

日本と米国は近く、両国間の新たな通商協議(FFR)の初会合を開く。米国は自国に有利な自由貿易協定(FTA)の交渉に入りたいようだが、日本はTPPの重要性を説き続けたい。

参院の内閣委員会は付帯決議も採択し、TPP11の水準を超える米国の要求を拒むよう求めた。輸出規制のような管理貿易の手法をはねつけるのは当然だ。

日本は欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の署名を控え、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉も進める。保護貿易の封じ込めに、あらゆる努力を続ける時だろう。

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