2018年9月21日(金)

金融支援を卒業するギリシャ

2018/6/26 23:07
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 債務危機に陥っていたギリシャが8年間に及ぶ金融支援から「卒業」することになった。ユーロを揺さぶった南欧などの危機が再び起きて世界経済の波乱要因になることのないよう、関係国は改革を怠りなく進めてほしい。

 欧州連合(EU)は先週のユーロ圏財務相会合で、ギリシャへの金融支援を8月で終える方針を決めた。過去の融資の返済期限を延長するなど負担を軽減し、新たな支援なしに財政再建に努めるよう促す。

 ギリシャの債務危機は2010年に深刻化し、同年と12年、15年と3度にわたりEUなどから金融支援を受けてきた。その後の財政再建により、財政収支や成長率は改善した。ユーロ圏はこうした改革努力を評価し、第4次の支援は不要と判断した。

 ユーロ圏から一時離脱する可能性すら取り沙汰されたギリシャが、自力再建できるまで回復したとすれば歓迎すべき話だ。

 ただ、失業率はなお高く、公的債務も巨額にのぼる。改革を着実に進め、持続的に成長できる道筋をしっかり固める必要がある。支援終了後も財政規律が緩むことのないよう、EUなどが定期的に監視することも欠かせない。

 ユーロ圏ではスペインやポルトガル、アイルランドも過去に相次ぎ債務危機に陥った。加盟国を支援する基金を創設するなどの対応で火消しに努めてきたが、さらなる危機再発を防ぐにはユーロ圏の一層の制度改革が必要だろう。

 改革に積極的なフランスのマクロン大統領は、ドイツのメルケル首相と共同で提案をとりまとめ、今週開くEU首脳会議で提示する見通しだ。改革案には、ユーロ圏内部の格差への対応を念頭に置いた共通予算を設けることなどが含まれるとされる。

 イタリアの新政権が財政規律をめぐりEUと対立する可能性があるなど、ユーロの安定を揺るがしかねない火種はなお存在する。中長期的な視点に立ったユーロ改革にEUは早急に取り組むべきだ。

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