2018年11月17日(土)

モバイルでメディア触れる時間最長 情報の「海」戸惑う人々
先読みウェブワールド (藤村厚夫氏)

コラム(ビジネス)
2018/6/25付
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先ごろ、日本と米国でそれぞれメディアと消費行動を巡る注目の調査結果が発表された。日本では、大手広告代理店が例年実施する「メディア定点調査2018」、アメリカではインターネット業界でカリスマ的影響力を誇る女性投資家メアリー・ミーカー氏による「インターネットトレンド2018」だ。

後者は、さまざまな調査結果を収集し、300枚近くのスライドにまとめ上げたものだ。

日本での調査で1日当たりのデジタルメディア接触時間は3.3時間。過去最長となった

日本での調査で1日当たりのデジタルメディア接触時間は3.3時間。過去最長となった

筆者が注目したのは3点だ。一つは、これまで躍進を続けてきたスマートフォン出荷台数についにブレーキがかかり、2017年は前年並みにとどまったことだ。二つ目は、インターネット接続する総人口が地球上の全人口の約半数、36億人に到達したこと。これまた成長が鈍化している。そして、三つ目として、(米国成人の)1日当たりのデジタルメディア接触時間が依然として増え続けて、17年に約6時間(重複を含む)に到達したことだ。

同調査では「デジタルメディア」を、モバイル、パソコン、その他ネット接続可能な機器を総称している。なかでもモバイルによる接触が3.3時間と過半を超える。

「デジタルメディアへの接触」が増えているという点は、日本も同じだ。

06年から続く「定点調査」では、18年には1日当たりのデジタルメディア接触時間が3.3時間と過去最長となった。

ちなみに漸減傾向にあるデジタル以外のメディアを含めたトータルの接触時間も最長だった。日米のデジタルメディア接触時間には大きな開きがあった。理由としては、重複排除などの集計方式が異なり、米国ではテレビを含む動画視聴の選好が著しく強いことなどが考えられる。

それはともかく、日米でテレビの視聴時間が減る一方、モバイルがけん引して総メディア接触時間を伸ばしているわけだ。そうだとすると、出荷台数でモバイルの成長が停滞し、ネット利用者も頭打ちとなると、メディア接触時間の成長も限界に突き当たったと見るべきなのだろうか?

ふじむら・あつお 法政大経卒。アスキー系雑誌の編集長、外資系IT(情報技術)企業のマーケティング責任者を経て2000年にネットベンチャーを創業、その後の合併でアイティメディア会長。13年からスマートニュース執行役員。東京都出身。

ふじむら・あつお 法政大経卒。アスキー系雑誌の編集長、外資系IT(情報技術)企業のマーケティング責任者を経て2000年にネットベンチャーを創業、その後の合併でアイティメディア会長。13年からスマートニュース執行役員。東京都出身。

「インターネットトレンド」は、新たな急成長トレンドとして「音声技術の離陸」をあげている。機械学習を用いた言葉の認識精度が95%を超えた。さらに、音声技術を活用する人工知能(AI)スピーカーである「アマゾン・エコー」の普及台数が、17年第4四半期に3000万台を超えた。音声を用いたメディア接触が今後急速に広がると読んでおかしくない。

さて、最後に気になるのは、デジタルメディアへの接触時間が伸びる一方で、消費者はこれが伝える情報量やその真偽について懸念を持っていることだ。

「定点調査」が昨年指摘したことだが、「世の中の情報量は多すぎる」とした回答が前年比で1割も増えた。「インターネットの情報は、うのみにできない」も7ポイント増えた。情報の「海」に戸惑い、対処する人々の姿も浮かび上がる。

[日経MJ2018年6月25日付]

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