2018年11月21日(水)

米欧の金融政策の変化に備えは万全か

2018/6/21 23:04
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米連邦準備理事会(FRB)が13日に今年2回目の政策金利引き上げに動いたのに続いて、14日には欧州中央銀行(ECB)が年内の量的金融緩和の停止を決めた。米欧が2008年の世界金融危機後に進めた異例の緩和の縮小に動くなかで、新興国を含む金融市場の備えは万全だろうか。

FRBは13年末に量的緩和の縮小を始め、15年には金融危機後では初めて政策金利引き上げを実施した。合計7回の利上げで政策金利は1.75~2.0%まで上昇した。

米国に続いてECBも10月から資産購入額を減額、年末に資産購入を停止する。同時に政策金利は、「少なくとも19年夏」までは現水準に据え置く見通しを示した。

ECBは、長期金利が急上昇したり、ユーロ相場が急変動したりしないように、金融緩和の縮小は段階的にゆっくり進めることを市場に発信している。

米欧が緩和縮小に動くなかで、日銀は物価安定目標の2%に届くまで金融緩和を続ける姿勢を明確にしている。日銀は金融政策の操作目標を16年9月にお金の供給量から金利に戻した結果、足元の国債購入のペースは縮小している。一方で、黒田東彦総裁は2%目標の達成が遠いなかで、金融緩和の出口の議論は時期尚早という姿勢を崩していない。

日銀が出口の情報発信に慎重なのは為替相場などへの影響を心配しているためだろう。それは理解できるが、先行する米国や欧州を参考に、今から頭の体操はしておくべきだ。情報発信をどの段階でするかも含め、しっかりした戦略が必要になる。

米欧の金融緩和の縮小が、新興国を含めた金融市場に与える影響への目配りも重要だ。アルゼンチンやトルコなど一部の新興国では大幅な通貨安が起きているが、今のところ新興国全体に動揺が広がる状況にはなっていない。

ただ、米欧が金融緩和の縮小を進め、金利を上げていけば、新興国に流れていた資金が欧米に逆流する可能性はある。新興国が自国通貨の防衛のために大幅利上げに動けば、国内景気を冷やしかねない。

足元の世界経済は先進国、新興国とも安定した成長を続けているが、米欧の金融政策の変化は、米トランプ政権の保護主義政策と並ぶ世界経済のリスクとして認識しておくべきだろう。

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