身の丈100m「吸引力」抜群 仙台大観音(仙台市)
おもてなし 魅せどころ

2018/6/19 6:30
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杜(もり)の都、仙台でじわじわと人気を集める観光スポットがある。観音像「仙台大観音」だ。高さ100メートルの巨大な像は市内各地から目に入り、不思議な磁力で観光客を吸い寄せる。住宅地を見下ろす場所でひときわ存在感を放つ像に仙台市も期待。外国人向けにアピールを始めた。

大観音像は多くの外国人観光客を引き付ける(仙台市)

大観音像は多くの外国人観光客を引き付ける(仙台市)

「こんなに大きかったんだ」。仙台大観音の足元にいたオーストラリア人男性が驚きの声を上げる。

友人と東北を回っているサミート・アルボットさん(29)は「観音像のすぐ近くに住宅地がある。そのコントラストが面白い」と話す。仙台城跡を観光中に、遠くに見える大観音が気になった。「アレはなんだ?」とすぐに足を運んだ。

大観音はJR仙台駅から北西に車で約20分の場所に立つ。近くにはゴルフ場やホテルがあり、住宅地も間近に迫る。建立は1991年。100メートルの高さは仙台市政100年を記念した。

所有する大観密寺によると、仏像としては茨城県牛久市の「牛久大仏」に次いで日本で2番目の高さだ。近づくと大きさに圧倒される。500円を納めると観音像の中に入れることはあまり知られていない。

地上68メートルまではエレベーターで上がれる。内部は約60メートルの吹き抜けで、らせん階段で12階に分かれている。各階に仏像を展示し全部で108体。観音像の胸あたりの窓からは、遠くまで見渡せる。

住職代理の「院大」を務める鈴木興相さんは「建設当時は周辺の住民から不評だった」と話す。その後は国内外のテレビ番組などで取り上げられ、地元でも認知度が高まったという。「いまはシンボルとして地元の人の待ち合わせの目印になっている」。最近、目立つのが外国人観光客だ。

その裏には仙台市のインバウンド(訪日外国人)誘致戦略がある。特に力を入れている国がタイだ。タイ映画「グラビティ・オブ・ラブ(愛の重力)」のロケ地誘致に成功。2017年11月に人気俳優らが大観音での撮影に訪れた。市は俳優の滞在費など約400万円を負担。「映画を見た人が訪れたいと思う効果が期待できる」(仙台市誘客戦略推進課)という。

仙台市の17年の訪日外国人客数は約17万人と過去最多だった。このうちタイ人は9700人で前年比33%増と高い伸びをみせた。タイ語で発行した市のガイドブックでは1日市内観光のモデルコースの中で大観音を取り上げた。仙台城跡や伊達政宗の騎馬像と並んで仙台を代表するスポットとして存在感を増している。

(仙台支局 古山和弘)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2018年6月18日付]

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