2018年11月14日(水)

春秋

2018/6/15 1:10
保存
共有
印刷
その他

浪人生はつらい。2浪となるともっとつらい。高校の同級生は楽しげに成人式に向かうのに、ちょうどその時期は大学入試センター試験の前後。とてもじゃないが式に参加する時間も気力もなかった……。苦労して大学に入った若者から、こんな話を聞いたことがある。

▼近い将来、こんどは現役で入試に挑む高校生たちが成人式に二の足を踏むようになるかもしれない。成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が国会で成立し、明治以来146年ぶりに大人と子どもの線引きが変わる。施行は2022年4月だから、翌年以降は受験シーズンと成人式シーズンがバッティングするのだ。

▼「18歳の大人」の大半は高校3年生。そのまた多くは受験生となれば、いまのような式が成りたつかどうか。参加する場合でも制服で、となる可能性が大きいとみて晴れ着の業界がやきもきしていると聞く。いっそ「成人の日」を別の季節にずらすべきだ、いや成人式の対象を20歳のままで――など意見はさまざまらしい。

▼成人年齢引き下げに伴う大きな課題は消費者被害の防止策や少年法の見直しだ。しかし高校生のうちに誰もが大人になること自体が、世にさまざまな影響を与えよう。トウの立った浪人生の疎外感はすこし薄れそうな気もするが、とっくに成人を過ぎたのにと新たなプレッシャーが降りかかるだろうか。これまた、つらい。

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報