2018年9月20日(木)

価値向上へ企業は株主とさらに対話を

2018/6/14 1:16
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 望ましい企業統治のあり方を示す「コーポレートガバナンス・コード」(企業統治指針)が3年ぶりに改訂された。持ち合い株の削減や取締役会の多様性の確保などさらなる改革を促す内容だ。

 企業価値を高めるガバナンスはどうあるべきか、6月後半に集中する株主総会でも対話が深まることを期待したい。

 指針は金融庁と東京証券取引所がまとめた。強制ではないが、指針と異なる考えなら上場企業は外部に説明する必要がある。

 最初の導入から3年を経て、東証1部企業の9割近くが社外取締役を2人以上起用している。

 上場企業の2018年3月期決算で自己資本利益率(ROE)が10%を初めて上回るなど、経営効率も上がってきた。ガバナンス改革は一定の成果をあげた。

 今回の見直しはさらに実効性を上げる狙いで、「資本コスト」という考え方を盛り込んだ。借金に利子がつくように、株主から集めた資本にも一定のコストがかかる。それを上回る収益の実現を求める、踏み込んだ内容だ。

 収益性の低い事業や資産を抱えたままではないか、成長分野に研究や設備投資を振り向けているか、など、資本の生かし方がこれまで以上に問われる。

 その意味でも、取引先や金融機関と株式を持ち合う政策保有株を減らすよう促しているのは、妥当だ。非効率な資産は絞るべきだし、身内ともいうべき株主に守られる構図が変われば経営に緊張感をもたらすはずだ。

 取締役会の機能強化では国際性の高い人材や女性の起用を打ち出した。事業分野が広がり収益環境もめまぐるしく変わるなか、多様な取締役の視線は意味がある。

 一方で、取締役会がきちんと機能しているか常に検証されなければならない。候補者不足を補うための環境づくりも必要だ。

 今年の株主総会ではこうしたガバナンス改革への姿勢を問う機運が高まりそうだ。政策保有株や取締役の顔ぶれを巡り株主が提案する例も目立つ。改革に後ろ向きと見れば、経営トップの選任に反対する票も出てくるだろう。

 会社側は自らの考えを積極的に説明すべきだし、株主も指針を形式的に使うだけではいけない。大切なのは個々の企業にとって最善の策を求め建設的な対話を重ねることだ。それが経営を磨き、長い目で価値を高める循環を生む。

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