2018年8月16日(木)

問われる日本の保護貿易封じ

2018/6/8 23:06
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 7日の日米首脳会談では、両国間の新たな通商協議「FFR」の初会合を7月に開くことでも合意した。茂木敏充経済財政・再生相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が率いる。

 米国は自国に有利な自由貿易協定(FTA)の交渉に入りたいのだろうが、自由貿易の原則を曲げるのでは困る。日本も安易に妥協せず、保護貿易の封じ込めに努力しなければならない。

 今回の首脳会談は北朝鮮問題に多くの時間を割き、貿易問題に踏み込むのを控えたもようだ。それでもトランプ大統領は安倍晋三首相との共同記者会見で、2国間の交渉による貿易不均衡の是正を求めるのを忘れなかった。

 米国は安全保障を名目に鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動し、自動車にも適用する検討を始めた。これらの制裁から日本を除外する代わりに、対米輸出の自主規制や円相場の監視強化などを迫る腹づもりではないか。

 米国の一方的な輸入制限は、主要国に貿易戦争を仕掛ける危険な行為だ。日本も欧州連合(EU)やカナダなどにならい、世界貿易機関(WTO)に提訴して堂々と撤回を求めればいい。

 米国がこれを新通商協議の取引材料にするのはもってのほかだ。輸出規制のような管理貿易の手法をとるのも容認できない。日本は環太平洋経済連携協定(TPP)への復帰を米国に働きかけつつ、その基準やルールに沿った2国間交渉を進めてほしい。

 残念ながら安倍首相は、トランプ氏の保護貿易を封じる姿勢が弱かったようにみえる。12日に開く初の米朝首脳会談で、日本人拉致問題の解決を取り上げてもらうため、貿易問題で刺激するのを避けたのかもしれない。

 だがEUやカナダは米国の保護貿易を公然と批判し、対抗策に動く。日本だけが米国の顔色をうかがい、ものを言えぬのでは悲しい。8~9日の主要7カ国(G7)首脳会議では、安倍首相もトランプ氏に軌道修正を迫るべきだ。

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