2018年9月22日(土)

日米連携をテコに日朝会談で拉致解決を

2018/6/8 23:06
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 安倍晋三首相が北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談の開催に意欲を示した。直接対話なしに拉致問題を解決するのは難しいが、安易な融和姿勢は相手の思うつぼである。日米首脳会談で確認した連携をさらに強化し、北朝鮮に言い逃れをさせないためのしっかりした戦略を立てる必要がある。

 トランプ米大統領は朝鮮労働党の金英哲副委員長と会った際、人権問題に言及しなかった。にもかかわらず、「最大限の圧力という言葉はもう使いたくない」と表明し、日本では「拉致置き去り」の懸念が生じていた。

 日米首脳会談後の記者会見でトランプ氏は「(米朝首脳会談で)拉致を協議する」と明言した。安倍首相がワシントンに足を運んだ意味があったといえよう。

 ただ、北朝鮮政策をめぐり、ホワイトハウスは必ずしも一枚岩ではないようだ。対北強硬派のボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が方針決定から外されているとの観測もある。

 トランプ氏は記者会見で「北朝鮮との国交正常化を期待する」などとも発言した。秋の中間選挙に向け、外交での大きな成果がほしいところであり、合意に傾斜している印象は拭えない。

 日本にとって「拉致・核・ミサイル」はいずれも看過できない重大な課題である。そのことを、主要国首脳会議(シャルルボワ・サミット)などの場を通じてトランプ氏、さらには国際世論に繰り返し訴えたい。

 拉致問題をどう解決すべきか。日本国内での議論も必要だろう。政府は被害者全員の帰国のみならず、責任者の処罰や実行犯の日本への引き渡しなどを求めてきた。犯行からかなりの時間がたち、北朝鮮の指導部の世代交代もあるなかで、解決へのハードルは高くなっている。

 安倍首相は拉致問題について「最終的には金委員長との間で解決しなければならないと決意している」と語った。北朝鮮の国家崩壊のような形での決着ではなく、現体制との対話を通じての解決を目指すということだ。

 だとすれば、小泉純一郎首相と金正日総書記による2002年の日朝平壌宣言に立ち返るのが妥当だろう。北朝鮮に拉致問題の解決を求めると同時に、日本も植民地支配への償いに真正面から向き合う。一方的な断罪では話し合いのテーブルに着くのは難しい。

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