2018年11月13日(火)

春秋

2018/6/8 1:16
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こんな悲しい文章があるだろうか。「きょうよりかあしたはできるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください」。まだ小学校に上がる前の船戸結愛ちゃんが、ひらがなで必死に綴(つづ)っていた。お願いの相手は本来なら自分を愛してくれるはずの両親だ。

▼結愛ちゃんは東京都目黒区のアパートで、十分な食事を与えられず、暴行を受け、肺炎にかかって死亡した。放置していた両親は保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された。ほぼ軟禁状態だったという結愛ちゃんがどんな幼い日々を送っていたのか、改めて記す気持ちにとてもなれない。救える命だったのではと、ただ思う。

▼家庭訪問したものの、児童相談所は結愛ちゃんに会えないままだったようだ。虐待問題に取り組む弁護士の後藤啓二さんは、児相と警察が情報を共有すべきだと訴え続けている。当然のように思えるが、多くの自治体で児相は対応事例などを警察に知らせることに消極的らしい。専門機関としてのこだわりからであろうか。

▼虐待を生む背景の一つに、親の孤立がある。それはまた児相の姿と二重写しに見える。児相もひとりで問題を抱え込まず、助けを求めればいい。面談を拒む親がいれば警察にも同行を頼み、人手が足りなければ大声で窮状を叫べばいい。「一つの機関で対応できるほど虐待は簡単な問題ではない」。後藤さんの言葉である。

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