2018年9月23日(日)

調達多角化へ米LNG活用を

2018/6/6 23:10
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 エネルギーの安定供給には調達先の多角化が重要だ。東京ガスが輸入を始めた米国産の液化天然ガス(LNG)はその有力な手段となる。新たな供給源の確保をコスト低減にもつなげたい。

 米国はシェールオイルやシェールガスと呼ぶ新しい石油・ガス資源の生産が急増する「シェール革命」によって、エネルギーの輸出国として台頭しつつある。2016年には、アラスカを除く米国からのLNG輸出が始まった。

 電力・ガス会社や商社など日本企業が相次いで、米国産の潤沢な天然ガスを使ってLNGをつくる事業に乗り出している。

 東ガスの輸入は日本企業が米国でつくったLNGを持ち込む初のケースとなる。その他も輸入が順次始まれば、日本の需要の1~2割を米国産で賄える見込みだ。

 日本は年間8000万トン超のLNGを輸入する世界最大の消費国だが、調達先はアジアや中東の比率が高い。米国産の輸入は中東などでの有事に備えて調達先を分散し、同時にトランプ政権が求める日米間の貿易不均衡の解消にこたえることにもつながる。

 米国産LNGはアジアや中東産と取引慣行が違う。これをてこに硬直的なLNG市場を変えていくことも大切だ。

 アジアや中東から買うLNGは契約で受け入れる港が決まっている。景気や気候の変動で需要が見込みより減っても、買い手は契約に沿って全量を引き取るか、契約量相当の代金を払う必要がある。

 これに対し、米国産は買い手が自由に荷揚げ地を決めることができる。余った場合は別の需要家に転売することも可能だ。買い手となる電力やガス会社は余分な在庫をもたずにすみ、調達コストを下げる効果が期待できる。

 日本の買い手だけでなく、LNGの利用が広がる中国や韓国、東南アジア諸国と連携し、消費国間で柔軟に融通できる体制を築けば、アジア全体で調達を効率化し、ひいては緊急時に備える調達の安全網にもなるはずだ。

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