2018年12月10日(月)

民間の技術革新引き出す成長戦略を

2018/6/5 23:17
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政府は5日、今月中旬に閣議決定する経済財政運営の基本方針(骨太の方針)の素案を公表した。

国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化の達成時期の目標を、従来の2020年度から25年度に先送りする。

財政健全化を確実にするためにも、民間の技術革新を核とした成長戦略を加速する必要がある。

骨太の方針の素案では財政健全化の新目標とともに、成長戦略に関する政策も並んでいる。安倍晋三政権は、12年末の発足時に、(1)大胆な金融政策(2)機動的な財政政策(3)民間投資を喚起する成長戦略――の「3本の矢」を掲げた。

第1と第2の金融緩和や財政出動は進んだが、第3の成長戦略のおくれが長年指摘されてきた。

2%の物価安定目標には届かないものの、物価が持続的に下落するデフレの状況からは脱し、雇用情勢も好転、景気は息の長い拡大を続けている。

次の課題は、財政健全化と社会保障を持続可能にする改革だが、そのためには民間主導の成長を加速することが不可欠だ。第3の矢の成長戦略を今こそ推進する必要がある。

骨太の方針に盛り込まれる成長戦略はこれまで各省庁の翌年度予算編成に向けた重点予算要望という側面も強かった。しかし、今重要なのは、政府の予算を使った官主導の成長戦略ではなく、民間主導の技術革新による自律的な成長への戦略である。

その一つは第4次産業革命ともいわれるデジタル技術の革新を経済・社会にいかに取り込んでいくかだ。政府は未来投資会議などで進むべき方向を示している。医療データの共有・活用、服薬指導などオンライン医療の充実、フィンテック推進のための法制の見直し、起業など政府への申請手続きのワンストップ化――。

民間企業が自由に参入し、技術革新を競い、新たな市場を開拓するのに必要な規制・制度の改革は今すぐにでも実行すべきだ。加計学園問題でイメージが悪化した国家戦略特区も、透明性を確保しつつ改革推進の仕組みとして有効に活用すべきだ。

デジタル革命は従来の先進国や新興国・途上国という枠組みを超えた世界的な競争をもたらしている。国の役割は企業や国民にお金をばらまくことではなく、この競争で、企業や国民が十分に戦えるような環境を整備することだ。

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