2019年8月18日(日)

イオンフィナンシャルサービス、AI活用本格化 負担減・利便性向上を両立
戦略ネットBiz

2018/6/9 6:30
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イオン傘下で金融事業を手掛けるイオンフィナンシャルサービスが、人工知能(AI)の活用を本格化させている。顧客からの問い合わせにAIが自動で対応するサービスを1月に導入し、5月にはLINEとの連携も始めた。スマートフォン(スマホ)で金融サービスを利用する消費者の増加に合わせ、効率化と利便性向上を両立させて競争力を高める。

自動チャットサービスでは、AIが顧客からの問い合わせ内容を分析して最適と思われる回答を提示する

自動チャットサービスでは、AIが顧客からの問い合わせ内容を分析して最適と思われる回答を提示する

イオンフィナンシャルサービスは、イオングループの金融事業全般を統括。子会社にクレジットカード事業を手掛けるイオンクレジットサービスや、イオン銀行を抱えている。金融事業の中核を担うこの2社を中心に、AI活用を推進する。

イオンクレジットとイオン銀行は1月末、KDDI子会社のKDDIエボルバ(東京・新宿)と組み、AIを使った問い合わせ対応の新サービスを始めた。相談内容などに応じ、チャットの形式で自動的に回答する。

利用客はスマホやパソコンで、2社のホームページにアクセス。専用フォームに、例えばATMの利用法やカードローンの審査などに関する質問を入力すると、AIが瞬時に分析して回答候補を提示する仕組みだ。

質問の意味がすぐに読み取りにくい場合などには、複数の選択肢を示し、やり取りする中で最適な回答候補を提示。AIエンジンは深層学習(ディープラーニング)によって、利用頻度に応じてより的確に回答できるよう機能が向上する。

2社はこれまで、オペレーターや自動音声応答によって顧客からの問い合わせに対応。ただ、これらは受付時間が午前9時~午後9時(イオンクレジットは4月から午後6時まで)で、問い合わせが集中するタイミングなどによっては時間がかかるケースも多かった。自動チャットサービスでは、24時間365日受け付けるようにした。

一方、顧客の中には高齢者などチャットに慣れない人も多く、複雑な相談にはAIでは不十分な場合もある。そのため、2社は電話やチャット、資料請求など目的に応じて問い合わせ方法を簡単に選べるよう、サイトの画面も改良した。

さらに、イオン銀行は5月末にLINEを活用したチャットでのサポートサービスも取り入れた。イオン銀行のLINEの公式アカウントに「友だち登録」すると、LINE上でAIが質問などに答えるほか、必要に応じてオペレーターがサポートしてくれる。

イオンフィナンシャルサービスの2018年3月期の経常収益は前の期比9%増の4079億円で、経常利益は同7%増の657億円。銀行口座数やクレジットカードの取扱高は順調に拡大しており、イオングループの収益を支えている。

ただ、顧客数やスマホでの利用などが増えるに従い、サービス業務の効率化はより重要になっている。

特に直接的な顧客との接点となる、コールセンターの業務改善は大きな課題。スマホで「いつでも、どこでも」相談できる利便性の高い窓口は、サービスの競争力に直結するといえる。

イオンフィナンシャルサービスはAIの活用で、オペレーターの負担を軽減するほか、顧客の要望に細かく対応して満足度を高める。今後もデジタル関連の投資を拡充し、顧客の取り込みにつなげていく方針だ。

(河野祥平)

[日経MJ2018年6月6日付]

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