2018年12月17日(月)

形骸化する就職活動のルール

2018/6/2 23:00
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大学生の就職活動が早まっている。経団連の会員企業による面接などの選考活動が1日に解禁されたが、すでに内定を得ている学生は昨年より多い。

採用活動の日程についてのルールを定めた経団連指針の形骸化が進んでいるかたちだ。学業への悪影響を抑えるため、企業には節度ある行動を求めたい。

人材サービス会社のリクルートキャリアやディスコの調査では、5月1日現在の内定率がそれぞれ4割強にのぼる。面接解禁時はさらに上昇しているとみられる。外資系やベンチャー企業のほか、経団連の会員でも解禁前から実質的に選考活動を始めている企業が少なくない。

学生への企業説明会の開始も、3年生の3月からという指針の規定が守られていない実態がある。3年生の夏などの段階で、インターンシップ(就業体験)の場で事実上の採用説明会をしている企業がめだつ。

経団連は近年では2013年卒業の学生から段階的に採用活動の開始を繰り下げてきた。「就活」の早期化を抑えるためだが、効果はあがっていないのが実情だ。

早めに内定をとっても第1志望の企業をめざして就活を続ける学生も多い。学業への悪影響は深刻だ。若い人材の質の低下は国にとって大きな損失になる。

就活が早くから過熱するのは企業が特定の時期に集中的に採用活動をする「新卒一括」方式が定着しているためだ。その機を逃すと選考を受ける機会が減るため、学生は早めに動かざるを得ない。

経団連の会員企業への調査では、新卒採用について「一括採用のみ」「一括採用が基軸」とした企業が合わせて8割を超える。4年の秋や冬にも選考をする通年型採用をもっと広げ、学生が勉学に集中できる期間を確保すべきだ。

経団連は採用活動の時期を、21年卒業の学生から再び見直すという。学生の負担が増え、人材の質が落ちれば企業のためにもならないことをよく考慮すべきだ。

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