2018年12月13日(木)

参院の定数増は容認できない

2018/6/2 0:55
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選挙は民主主義の土台であり、特定の政党の都合で制度をゆがめることがあってはならない。その意味で、自民党が作成した参院選挙制度の改革案はおよそ「改革」とは呼べない。人口減の時代に定数を増やすのも、有権者の理解を得られまい。直ちに撤回して再検討すべきだ。

自民党が参院改革協議会に提示した文書によると、来年夏の参院選から(1)非拘束式の比例代表とは別枠で優先的に当選できる比例候補を各党2人まで名簿に登載できる(2)埼玉選挙区の改選定数を3から4に増やす――というのが、主な内容だ。

鳥取・島根と徳島・高知が合区になり、候補者を送り出せない県がふたつできた。地方組織の不満を解消する救済措置が必要だが、人口の少ない県なので、非拘束式の比例候補に回すと当選は容易ではない。だから、別枠をつくるということのようだ。

しかも、別枠をいまの比例の範囲に取り込むと、有力支持団体の組織内候補の当選枠が減るので、定数をその分だけ増やすそうだ。実現すれば自民党は現行制度と比べ、自動的に2議席増となる可能性が高い。こんな露骨な党利党略は聞いたことがない。

自民党は合区解消を強く求めてきた。3月に決めた憲法改正案にも、参院選の選挙区は都道府県単位とする規定を盛り込んだ。

主張するのは自由だが、そんなことをすれば1票の格差はどんどん広がっていく。衆参両院がほぼ同じ権能を有している以上、参院選は格差が大きくて構わないという理屈は成り立たない。議論するならば、衆参の役割分担などと一体でなされるべきだ。

連立を組む公明党はどう動くのか。これまで同党は比例を全国11ブロックごとの大選挙区制に置き換えるよう提唱してきた。

苦戦を強いられている埼玉の定数が1つ増えれば、選挙戦はかなり楽になるだろうが、そんなあめ玉に飛びついて節を曲げるのか。党の見識が問われる。

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