2018年10月16日(火)

党首討論をもっと実のある中身に改革を

2018/5/31 0:42
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国会で党首討論が1年半ぶりに開かれた。首相と野党党首が国の基本政策を集中討議する狙いで導入されたが、最近は開く頻度が大幅に減っている。各党で改善策を持ち寄り、もっと機動的に開いて実のある審議につなげる運用方法を考えていく必要がある。

30日の討論で立憲民主党の枝野幸男代表は森友、加計両学園の問題に絞り、安倍晋三首相の責任を追及した。国民民主党の玉木雄一郎共同代表は日米の通商問題や日ロの北方領土交渉を取り上げ、政府の取り組みをただした。

党首討論は英国議会を参考に、2000年に正式に導入した。当初は年に5~8回開かれたが、06年以降は3回前後に半減した。与野党は14年5月に「月1回」の開催を申し合わせたものの、昨年は導入後初めて1度も開かれないままに終わった。

討論の参加資格は「衆参いずれかで10人以上」の野党会派の党首で、質疑時間は全体で45分間だ。二大政党制に近い議会勢力を想定しており、野党が分立する現状にはあっていない。

今回の持ち時間は枝野氏19分、玉木氏15分、共産党の志位和夫委員長6分、日本維新の会の片山虎之助共同代表5分だった。衆院会派「無所属の会」が参加を辞退したものの、首相の答弁を含む審議時間がここまで短くては掘り下げた議論は難しい。

近年は野党が党首討論を敬遠し、予算委員会の集中審議などを求める傾向が強まっている。質問時間を確保して党の立場をアピールしたい思いはわかる。しかし党首討論は与野党のトップが国家的な課題にどう対処するかを、反問権も行使しながら深く議論する役割があったはずだ。

討論時間を2~3倍に延ばしたり、開く頻度を増やしたりして各党が交代で質問する方法もあり得る。政権担当能力を競う趣旨を重視するなら、参加を野党第1党などに限る選択もあるだろう。開催をいまの水曜午後3時から平日夜や週末にずらし、有権者が生中継を見やすくするのも一案だ。

日本は諸外国と比べて首相や閣僚の国会出席日数が多く、東京を離れた公務や外交が後回しになっている面がある。立法府による行政監視は重要だが、似たような質疑を延々と繰り返しても有権者の関心は高まらない。党首討論の制度改革と合わせ、国会審議の効率化も真剣に話し合うべきだ。

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