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有料化の波、購読「貧乏」に? 割引サービス競う時代

先読みウェブワールド (藤村厚夫氏)

「フェイスブックが有料版を検討中」。米国の大手経済メディア「ブルームバーグ」が最近報じた。

外国勢力による世論工作や膨大な数の利用者情報の漏えい……。最近、交流サイト(SNS)最大手フェイスブックに対して、厳しい論調が目立つ。手厳しい意見を生む原因ともなっているのが、SNSならではの利用者情報を活用した広告ビジネスだ。

批判を受けてか、同社は広告を掲載しない有料版サービスの可能性を検討しているのだという。全世界で月間20億人もの利用者がいる同サービスは、もちろん無料をテコに支持を拡大してきた。

広告嫌いへと傾く利用者らも、この報道への反応は複雑だ。フェイスブックが現在広告によって得ている収益を得ようとすれば、有料版は月額11ドル必要との指摘もあるからだ。

筆者の「体感値」からしても、月額1000円前後は、利用し続けるか意識する最初の分岐点になりそうだ。実際、筆者が継続的な利用料を支払っているものを振り返ってみた。大変に高額な(と感じる)スマートフォンの通信費を除くと、「ニューズピックス」(ビジネス関連ニュースアプリ)が月額1500円、「NEWSを疑え!」(軍事問題専門のメールマガジン)、「10MTVオピニオン」(有名大学教授らの一般向け講義の動画サイト)が同1000円だ。

ソフトウェアやサービスでは、音楽ストリーミングの「スポティファイ」「アップル ミュージック」が同980円、文書などのファイルをクラウドに保存できる「ドロップボックス」も同程度。一方で、月額数百円程度のサービスは、年間利用料を選択し、そのまま忘れてしまいがち。「エバーノート」「アマゾン プライム」などだ。

品質や価値を安売りするつもりはない、と断固とした意思を示すメディアもある。日本では「日本経済新聞電子版」などだ。開始当時、4000円を超える電子メディアの出現に驚かされた。最近も、「インフォメーション」や「ブルームバーグ」が40ドル前後を打ち出し、「高額」と話題を呼んだ。これらを足し合わせて、購読料の総額に驚いているところだ。

ふじむら・あつお 法政大経卒。アスキー系雑誌の編集長、外資系IT(情報技術)企業のマーケティング責任者を経て2000年にネットベンチャーを創業、その後の合併でアイティメディア会長。13年からスマートニュース執行役員。東京都出身。

これまで、広告掲載によって「無料」をうたう無数のインターネットメディアやサービスが誕生してきた。いま、それが次々と有料課金型モデルへと転換しようとしている。

これを「購読料地獄(貧乏)」時代の到来とする視点もある。となると、次に生まれる新たな動きは、いくつものサービスを「バンドル」(束ねる)で割引などするアプローチだろう。

アマゾンのプライムサービスは配送の無料化や映画、音楽、書籍の見放題、聴き放題など複数のサービスを提供。米国では、傘下に収めた食品スーパー、ホールフーズの割引サービスを始めた。

さまざまなサービスを提供しているグーグルやアップル、フェイスブックなど、プラットフォームと呼ばれる勢力は、バンドル方式と決済の共通化を目指すことになるだろう。

[日経MJ2018年5月28日付]

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